真実を隠したまま | As lagrimas que a lua derramou~月が零した涙

As lagrimas que a lua derramou~月が零した涙

版権作品にオリジナル人物を入れての二次創作小説を載せてます。
『遙か』シリーズが中心です

誰もが僕を信頼し、僕を大切にしてくれる。

この場所が好きでこの場所が大切で。


だからこそ、僕の心の奥底を探られたくなくて

必死に虚勢を張ってしまう。


「弁慶ぇ!!きさま!」


仲間の驚きを怒りを一身に受けて心が痛んでも


「これ以上、ここにいても勝ち目はありませんからね」


ちがう。

望むのは君達の安全。


望むのは君達の幸せ。


僕は、罪人だから

僕が、この世界の均衡を崩してしまったから。


「さよなら」


本当のことを言ってしまえば、みんなは僕に力を貸してくれるだろう。

けれどそれをしてしまえば、君達に危険が伴う。

戦いよりも辛くて険しい道を君達に与えたいと思わないから。


「さよなら」


この言葉が僕からの君達への手向けの言葉。


「さよなら」


この言葉が君達への幸せを望む言葉。







■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

あとがき

弁慶の裏切りのシーン。始めはかなり驚きましたが

彼は彼なりの葛藤も苦悩をあっての選択だったのでは?

そう考えて作って見ました。