フェイバリットディア | As lagrimas que a lua derramou~月が零した涙

As lagrimas que a lua derramou~月が零した涙

版権作品にオリジナル人物を入れての二次創作小説を載せてます。
『遙か』シリーズが中心です

「天使様!お元気でしたか?」


「ええ。セシアは元気ですか?」


天使サクヤの訪問にセシアは満面の笑みを見せた
その笑みに答えるようにサクヤも笑みをこぼす。

その微笑にセシアは心を奪われる。

この世界は混乱に満ちている
その世界の均衡を保つために地上に降りた天使
それが、サクヤだ。

天使は直接介入は出来ないためこの世界に勇者と呼ばれるものたちと共に
世界の混乱を探るのだ。
その勇者にセシアも選ばれた
はじめは自分の森の聖母と同じように選ばれたことに
誇りを持ちサクヤの依頼を受けてきたセシアだったが
いつの間にか、サクヤに心惹かれていることに気がついた。


「今日は。ゆっくり出来るのですか?」


「どうでしょうか?世界にはさまざまな、混乱がありますし、
別の勇者に依頼をお願いしてますから。
妖精から呼ばれたら、助けに行かなければ行けません」


そう、勇者はセシアだけではないのだ
世界の各地に数人の勇者がいるのだ
その勇者一人一人をサクヤが全部見ている。
いや、勇者だけではない。
この広大な世界を一人でサクヤは見ているのだ

その負担は、セシアの想像を超えるものだろう
それでも、嫌な顔せず笑顔を見せるサクヤに
セシアは、ますます、心惹かれるのだ。


「あの・・・天使様」


「なんですか?」


「その・・・他の勇者の方はどんな・・・人なのでしょう?」


「どんな?」


「あ、あの!別に・・・あの・・」


首をかしげるサクヤにセシアは顔を
赤くしながら慌てて首を振った。


「みんな、頼もしいですね・・・。国の大切な要のものでもあり
一介の騎士だったり、さまざまですね」


そう答えるサクヤは穏やかな顔だった

ふと、視線を空へ向けたサクヤ

セシアも同じように空を見上げる。


「でも、今はみなが心に抱えていることを聞いて
私に出来ることがあるのか考えます」


「みんなが?」


「今の混乱で、あなた方勇者に、

つらい選択ばかりさせているような気がします
私は、何も出来ることなくて・・・」


「天使様・・・」


セシアが、顔を上げ言葉を発しようとしたとき。


「天使様!!レイラさまが!」


「レイラがどうしたのです!!」


あわられた妖精にサクヤの顔は険しくなる
ただならぬ雰囲気にセシアは事の成り行きを見つめているだけで。


「とにかく、早く来てください!大変なんです!」


「わかりました。セシア。すみません今日はこれで失礼します!」


「あ!」


声を掛ける暇もなくサクヤは真っ白な羽を広げ空へと
飛び立っていった。


「今日は、会えたんだもの・・・それだけで・・・」


セシアは言い聞かせるように言葉をつむぐ


「今度はいつ、こられますか?天使様・・・」


セシアの声は空へ解けていった。




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あとがき

こちらも、久しぶりに手にとってプレイしたので

妄想が書き立てられて・・・はい。

お話もすごく私好みでよかったので。