第二章 十壱話 まどろみの中で囁いて(11) | As lagrimas que a lua derramou~月が零した涙

As lagrimas que a lua derramou~月が零した涙

版権作品にオリジナル人物を入れての二次創作小説を載せてます。
『遙か』シリーズが中心です

「そういえば、あの時合ってない奴もいるな」


「そうですね・・・。」


「あ~。なるべく短くしてくれよ。面倒だからさ」


「わかりました」


将臣の言葉に弁慶は苦笑しながら、的確にそして簡潔に

新たに仲間になった八葉を紹介していく。


「そして、最後に・・・。敦盛くんです」


「あ、敦盛・・・です。初めまして」


「うん?ああ、宜しくな」


目を伏せて話す敦盛に、いつもと同じように笑顔を見せて答える。


「私は、咲弥です。宜しくね。敦盛君」


「はい・・・。」


「これで、八葉全て揃いましたね」


「うん」


嬉しそうに話す譲と望美に敦盛は言いにくそうに口を開いた。


「八葉とは・・・、全員がそろわないといけないのだろうか?」


「揃わないと駄目とは言いませんが、やはり神子を護るためには」


「どうして、今頃そういうの?」


「いいじゃね~か。別に俺がいなくても今までやってこれたんだろう?」


怪訝そうに敦盛を見る、朔や弁慶、それは他の仲間たちも同じだったが

あっけらかんと話す将臣の言葉に

九朗は呆れた顔で息を吐く。


「まあ・・・それもそうだが」


「今はゆっくりと身体を休ませましょう、ね」


「そうだな、腹減ったし行こうぜ」


「・・・なんで兄さんが仕切るんだよ」


ぞろぞろと部屋を出て行くみんなの姿を見ながら

咲弥は敦盛を見た。


「行きましょう。敦盛君」


「すみません。将臣殿、咲弥殿」


「ん?いいって事よ。俺達とお前は初対面って事だろ?」


「気にすることはないのよ。敦盛君」


「何してるんですか~~。行きましょう?」


望美がひょっこりと顔を出して笑顔を浮かべ三人へこえをかけた。

将臣は手を上げて返事を返し

咲弥は敦盛に手を差し出した。


「行きましょう。大丈夫よ」


「咲弥殿・・・」


「大丈夫だから、ね」


「・・・・本当に、貴方にそう言われると本当に、大丈夫な気がする」


「そう?」


敦盛の言葉に、にっこりと咲弥は微笑み返した。