安野モヨコ 『さくらん』 2003年 講談社 | まひるの読書日記。

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いわずと知れた、安野モヨコさんの大ヒット作です。

『さくらん』は、2007年に映画化されました。

監督・蜷川実花、主演・土屋アンナということでも、話題になりましたし、

ほかにも、椎名桔平や木村住乃、菅野美穂などの出演、

それから椎名林檎の主題歌など、ビッグネームが顔をそろえていましたから、

知らない人は、あんまりいないと思います。


でも、映画は見たけど、原作は読んでないっていう人が、

実は意外にいるんじゃないかって思うのですが、どうですか?


あの、これって、原作は、じつは未完なんです。

ということは、まだ続きがあるかも、ってことですよね??

(本の最後に、『さくらん』第1部/完、と書いてあります。)


見たいです、それ。単純に。続きの第2部。


実は、2003年にこの本が刊行されたあとで、2005年に続編の連載が

スタートしているようなんですが、これが中断したままになっているみたいです。

(有名なことなのかもしれませんが、わたし、その続編のほう、読んでないんです。。)

なんか、すっごく、気になりませんか?


読んだ人って、どのくらいいるのかな? 続編のほう。

どんなのか、よかったら教えてください。


ともかく。

原作のマンガ、すばらしいです。

まず本の装丁が、とっても豪華。きんきらしてます。

宝石のような本です(中身も含めて)。これで900円は安いと思います。


それから、絵がスゴイ! 安野さん、描くの大変だったと思います。

江戸時代の吉原のこととか、よく調べてあって、細かいとこまでこだわってます。


(褒めはじめると、とまりませんが)、主人公とか、登場人物の設定、人物の表情、

ドラマ、ストーリー展開、セリフ、語り(ナレーション)、コマ割り、

すべてパーフェクトに思えるような出来栄えです。あとタイトルもいいですよね。

なんというか、褒め言葉しか出てきません。


それから、全体に醸し出される哀感、

これに、現代風に少しくずした七五調の語りが、ハマってます。

毎回、ラストの決めが気持ちよくて、このために読んだ感、みたいなのがあります。


でね。この本、第1部の、いっちばん最後の、本当に、いちばん最後のセリフ。

(ここには書きませんけど。)

これがやっぱり、わたし、気になるんです。

ある意味で、これで完結してると思うし、これでもう、かっこいいと思うんですけど、

まだ続きがあるのだとすると、この後どうなるのか。やっぱり気になります。

はやく、書いて書いて。。


わたし、『花とみつばち』のころからの、安野モヨコファンなんですけど、

安野さんのマンガ読んだときに、ちょっと、思い出した人がいます。


さて、誰でしょう?

じつは、小林じんこさんなんです。『風呂上りの夜空に』の。

わたし、あのマンガ、とても尊敬(!)しているんです。

忘れもしません、全6巻で、くりかえし、なんどもなんども読みました。

で、読み返すたびに、新しい発見がある、奇跡的なマンガだったと思います。

1コマ1コマの中に、いろいろなことが書き込んであって、

表情とか、セリフとか、書き文字の書き込みとか、

で、2回目3回目と読んでいくと、あ、これってそういうことだったのか、

ここでそんな伏線が用意してあったのか、みたいな、…とにかく、スゴイです。


それで(?)かな、安野さんに、なんとなく、

やっぱり『さくらん』の続きを描いてほしいと思うのです。


ひとつ、気になっていることがあって。

それは、あの、ときどき入るナレーションふうの語り、あれが、誰によるものなのか、ということなんです。

あれは単純に主人公きよ葉の語りではない、と思います。

きよ葉の内的なものを、誰かもうひとり別の人物、例えば作者が、きよ葉の内面に寄り添って書いている、とも考えられるし、あるいは時間がたってからのきよ葉ってこともあるのかな、とも思う。そのあたりが、第2部か、とにかく完結編までの構造に影響を与えるのでは、そこであの語りが誰の、どのようなものかが、明らかになるのでは? なんて思ってみたりもしているわけです。


なので、安野さん、むちゃくちゃ忙しいと思いますけど、ぜひいつか、続編。

よろしくお願いします。



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