譬諭品 第三 | 大乗院♪ 火渡り修行ですよっほういちさん

大乗院♪ 火渡り修行ですよっほういちさん

それが だいじょーいんのロックなおたしなみ

大乗院のページです ◞≼⓪≽◟◞≼⓪≽◟
http://www.facebook.com/daijyoin?ref=hl

ついでですが
実は妙法蓮華経・譬諭品 第三もおはなしにしてました
これも長いのでおヒマな時でもあれば
「声」に出して読んでいただければサイワイです
でも まったくカチッと落ちないですので
がっかりしないでください (=_=)

薬の行商でコツコツと稼ぎ
おたなを大きくしてきた清兵衛さんには
おたなを支える奥方と 三人のセガレがいました 
清一、清二、清三の三人です
おたながうまくいってからうまれた三兄弟は 
苦労一つも知りゃあしない だもんで 
長男は大人んなってからすぐ賭場にはまっちゃった
品もんのおとどけのまんま ふっと賭場に行っちまう
で帰ってくるときゃあその筋のお方と一緒に帰ってきて
おたなに博打の負け金を払わせる
二男の清二はお兄ちゃんを見て育ってて
おんなじようなことをする
お使いに出たらそのまんま花街に行っちまって
そのまんま何日も帰って来やしない。
三男の清三はちったあましだ 
2人のあんちゃんを見て育っているので
そんな悪いことはしない 
「おいらは自分で薬を作ってみてえんだ 
 平戸まで行って新しい薬の勉強をしてえんだ」
なんていって おたなの仕事なんかそっちのけで 
やれ小間物売りだあさり売りだ花街の客引きだなんだって
金になる仕事ばっかりして 
金のある人もない人も相手のおたなの仕事なんざ 
てんで なおざりだ

清兵衛さんはことごとく困まっちまった 
「せっかくコツコツとおたなまでこさえたっていうのに 
 なんにも思い通りになりゃあしない、
 三人も りっぱなセガレがいるというのに
 おたなの助けになりゃしない なんてこった
 こうなったら 
 子どもらを追い出して一丁世間にもまれさせようか」
「おまえさん ここまで大事に育てて今 
 突然トラが子を谷底へ突き落すようなまねしたら 
 かわいそうだよ いつかあの子たちだって
 目を覚ましてくれるよ」
「ほら、おまえがそんなふうに甘やかすから
 こんなことになったんじゃねえか」
「やだよ おまえさんだって目に入れても痛くないって
 言ってたじゃないか」
 夫婦の喧嘩はいつの時代もおんなじようなもんだ

「あなたが認めたくないことはなんですか?
 それを認めたとき道は拓けます
 今日は心についてのエッセイスト・マドマアゼル愛さんに
 お越しいただいています」
 …この時代にはテレホン人生相談もないころでございます 

もといっ!(この部分はやめろとのご指摘が多いので割愛)

そんなとき「また戦が始まる」
って噂がささやかれ始めました
「川を越えてもっと下の宿場に引っ越しましょう」
って人がでてきます 清兵衛さんも、
ここがいくさ場になってしまえば 
今まで作り上げてきた人生がなんにも残らず
丸裸になってしまうのを知っています
「せがれども いくさにでもなったら大変なことになる 
 持てるモノをもって引越しをするよ」
って言うのだけど
「戦が怖くって博打が打てるかい!」
「戦が怖くて女と遊べるかい」
「あっしは金になる仕事が忙しいんで関係ないですわ」
せがれたちは誰も聞く耳など持ち合わせちゃあいない
また清兵衛さん困り果ててしまった。
そこで考えついたことを試すことにします

三人の子どもたちを集めて話し始める清兵衛さん

「おい!おまえたちここまであたしもまじめにやってたが
 お前たちの所業にすっかりあきれはてました 
 あたしは生きてるうちに身代わけして さっぱりして
 おっかさんと川向こうの宿場街で暮らすことにします
 お前たちの悪い思い出のあるこんな土地はもうおさらばだ 
 その代り身代分けの条件は 
 おたなの在庫を隣の宿場のこんどあたしらが住むところに
 運んでくれたらという話だ 
 そのあとは新しい町で賭場開こうが置き屋やろうが
 勝手にするがいい」

「おやじホントわがまま勝手だよなあ」
なんていいながらも荷物を運びます。
清三が薬学の修行に平戸に出てすぐに いくさは始まり
付近の町中貧しくなってしまいひっそりとしてしまう
賭場だ花だいってるような状況じゃあない  

いくさのあとには
清兵衛さんは持ってきた「流行り病の薬」のおかげで
金のある人もない人も助けることができた 
町の人たちの後押しもあり おしもおされず
誰よりも早く小さなおたなを開きます
でも清一も清二も昔の遊び暮らしがだんだん懐かしくなって
「こんな貧乏くせえ町 もうごめんこうむるぜ」なんて 
捨て台詞を決め今まで住んでいたなじみの町に戻ってみます

…おいおいおいおい全部が全部焼野原だ。

焼け残りの黒焦げの柱が何本か斜めになっちゃあ倒れ。
いつかの馴染みの賭場に行けば 
いくさのさなかまで博打を打っていた
かつての仲間のむくろが泥と血まみれになって 
ごろごろところがってる
花街に行けば こげた提灯が
ただブーラブーラ下がるでもなく揺れるでもなく
何枚かきれいな着物の燃え残りが
泥の水たまりに埋もれている。
目を覆わずにはいられない光景に
清一と清二は凍りつきます。
「なんでえ!つまんねえなあ」清二は虚勢を張る
「なんもなくなっちまってる」清一は呆然としたまま。

こっそりあとをつけてきた清兵衛さんがこう言います
「おまえたちが生まれる前には
 しょっちゅうこんなことがあったんだ
 おっかさんとふたり 金子を握りしめて
 お前たちにだけはひもじい思いさせまえとしてきたんだ」
「おとっつぁん…おいら ものごころついてからこっち
 金なんてのはいつもあるもんだって…
 生きてるのなんて当たり前だっておもってきた」
「おいらもあんちゃんが使うんならおれもって…あーん」
命拾いをしたこともあって
どっかの県議みたいに子どもみたいに泣き始めちゃった
長崎に修行に行っていた清三も帰ってきて 
すっかり目の覚めた三兄弟はまじめに働いた

薬を煎じる役目になった清三と 
そして金のある人にもないひとにも
薬を届けるのは今度は 長男二男の役目になった。
「以前はひどいあんちゃんたちだったけど
 いまでは薬を届ける役がうってつけだ」
「いや、うつかうはもう結構」






オチなかったらごめんなさい 
ペタしてね