薩摩硫黄島への旅 4日目 | OFF DUTY

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誰にというわけでもなく、
余暇の楽しみを語るブログです。

9月21日(水)

 

台風の影響で19日(月)に欠航となった鹿児島→薩摩硫黄島便。

月曜日と水曜日の週に2往復なので今日ようやく飛べます。

 

9:40 鹿児島 → 10:30 薩摩硫黄島 NJA101

 

鹿児島空港では大手エアラインが利用するターミナルとは異なり、

新日本航空 の社屋で搭乗手続きを行うので、

昨夜お世話になった宿の方にこちらまで送っていただきました。

 

 

搭乗手続きです。

 

 

ハンディタイプの金属探知機でボディチェック。

手荷物検査はバッグの中を目視で確認。

飛行機に持ち込める手荷物は10kgまでなので、最低限必要なものだけをバックパックに移し、

スーツケースはこちらで預かっていただきました。

 

 

そして、パイロットさんとブリーフィングです。

「今日のフライトは条件付き運航です」とのこと。

薩摩硫黄島空港で東風が吹くと非常に危険で、着陸ができなければ引き返すそうです。

 

トイレを済ませてから飛行機に向かいます。

 

じゃーーーん!

 

セスナ172

JA329E

世界のベストセラー機です。

 

 

4人乗りですが、うち1名はパイロットさんなので乗客は3名のみ。

今日の乗客は僕だけなので、前席すなわち副操縦士席をリクエストし、

見事プラチナシートを確保しました。

 

 

狭いです。

ラダーペダルの下に足が潜り込まないよう足を手前に引くと、

操縦桿を引いた時に膝に当たります。

操縦の妨げにならないように気を張ります。

 

それでもこんなに嬉しいシートはありません。

ふだんのフライトでは、最前列や非常口などピッチの広い座席を好むくせに。

 

パイロットさんが乗り込み、整備士さんと連携してエンジン始動。

チェックに入ります。

無線の交信も始まりました。

 

興奮は最高潮に達し、タキシング開始。

RWY34に向かいます。

 

ATISで風向きや風速を確認。

着陸機の到着を待ち、滑走路へ。

 

離陸時は操縦への影響を避けるため撮影は禁止です。

動画を撮りたかったのでちょっと残念。

 

「では、飛びます」と声を掛けていただき、滑走開始。

エンジン音が高くなり速度を上げると、あっという間に離陸。

一気に高度を稼いでゆきます。

 

左旋回して針路を南へ。

当初4,500FTで飛ぶ予定でしたが、桜島の噴煙を避けるため6,500FTまで上昇しました。

 

景色もですが、目の前のグラスコックピットに見入ってしまいます。

 

 

大型旅客機と異なりパイロットさんが一人なので、

操縦も機器のモニターも無線もすべて一人でこなします。大変そう。

 

薩摩半島を枕崎辺りまで飛ぶと洋上飛行になります。

 

 

しばらくすると薩摩硫黄島の噴煙が見えてきました。

降下を開始したので撮影を控えます。

 

薩摩硫黄島の飛行場は島の西側の南北方向にあります(RWY18/36)。

まずは滑走路上をローパス。障害物の有無を確認するためでしょう。

断崖の上に滑走路がありました。これは写真に撮りたかった眺めです。

RWY36方向から約800FTで通過しました。

 

左旋回しダウンウィンドレグへ。

「次は降ります」とパイロットさん。ただし、風が強ければ着陸復航(GA)しますと。

かなりのラフエア。揺れます。

ストン!と何度も落ちます。左右にも激しく揺れます。

いや、これはかなりのものだぞ。想像を超える揺れです。

 

崖を越えて滑走路上へ。

そこに鳥!バードストライクか!?

GAする???

 

機体が一瞬止まった?と思ったその時、見事に着陸しました。

思わず「NICE LANDING!」と拍手をしてしまいました。

いや~見事な操縦でした。感動。

 

でも、本当はもう少し乗っていたかったのでGAしてくれた方が嬉しかったかな。

タキシングしてターミナル前へ。

 

 

ようやく旅の目的地、俊寛が流された薩摩硫黄島へ来ました。

 

さて、島を散策…といきたいところですが、

冒頭にも書いたとおり空路は週に2往復しかありません。

乗ってきたこの飛行機で帰らないと月曜日まで帰れません(船では帰れますが)。

 

家族も仕事も無くなると困るので帰ります。

 

ということで、再び飛行機に乗り込みます。

 

 

滞在時間は30分弱。

何をしに来たって、トイレを使いに来たようなものです。

 

10:50 薩摩硫黄島 → 11:40 鹿児島 NJA102

 

帰りは、僕以外に2名の乗客。満員になりました。

ひとり体格のいい方がいたので、ウエイトアンドバランスの関係で体重54kgの僕は

後ろ席になってしまいました。

 

しかも往路と反対の左席。すなわち往路と同じ景色。

薩摩硫黄島も開聞岳も桜島も反対側なんだよなぁ。。。

 

 

鹿児島空港に帰ります。

 

同じくRWY36から離陸。

そこそこ揺れたのかもしれませんが、さっきの着陸を経験していれば怖いものなし。

快適な離陸でした。

 

同じルートを戻り、あっという間に薩摩半島。

右席の乗客越しに開聞岳を覗き見ます。快く写真も撮らせてもらえました。

 

 

帰りは5,500FTで行きよりも1,000FT低かったので、鹿児島市街地もよく見えました。

 

 

昨日ドライブを楽しんだ国道10号線も。

 

 

そういえば、昨日は万世特攻平和祈念館を訪ね、

かつてこの空を飛んだ若者たちに思いを馳せましたが、

フライトに興奮していて忘れていました。反省です。

 

俊寛もこの海を渡ったんだと、この旅が京都経由だったことも忘れていました。

 

そのくらい興奮が連続のフライトでした。

 

鹿児島空港が近づき、降下を開始。

着陸は行きと同じRWY34。

 

揺れることもなく無事に着陸。

出発した新日本航空のハンガーまでATR機に続いてタキシング。

県警ヘリや離陸待ちのスカイマーク機、J-AIR機の着陸などが見れるのは

忙しい鹿児島空港ならでは。

 

スポットインして降機。名残惜しいです。

それでもサービス精神が旺盛な新日本航空さん。

飛行機との記念撮影を撮っていただいたり、

国内では唯一の機体となった現役の アイランダー も見学できました。

 

 

さらに、キャプテン直々にログを書いていただけました。

海外ではキャプテンに書いてもらえることもありますが、国内ではレアです。

ありがとうございました。

 

新日本航空さんを満喫したのち、鹿児島空港の旅客ターミナルまで車で送ってもらいました。

職員の方に「また乗りにきます」と約束しお別れしました。

 

時刻は昼過ぎ。

ランチは鶏そばに決定。

 

 

お土産を買って、羽田に帰ります。

 

15:45 鹿児島 → 17:30 羽田 SNA078

 

 

薩摩硫黄島行きを決めてから、俊寛の足跡をたどるように京都経由で島に渡りましたが、

・旧友との再会

・閉店前の伊丹空港OASIS訪問

・台風での欠航

・予定外の薩摩半島ドライブ

・30分弱の薩摩硫黄島滞在

とイロイロな出来事が目白押しの旅となりました。

 

薩摩硫黄島はリベンジしないと。

今から次回の訪問が楽しみです。もちろん新日本航空の飛行機で。

 

(了)