青信号がチカチカと点滅を始める
トラックが吐き出した熱い排気ガスが
アスファルトの照り返しと一緒に顔へぶつかる
人混みに押されて
横断歩道を歩く君の視線は
すり減ったスニーカーの先と
地面にへばりついた黒いガムの跡の往復だけで
終わっている
ネットの画面を見ながら
「あいつ必死すぎてダサい」と
鼻で笑っているときの賢そうな頭
なのに今、目に映っているのは
サビついたガードレールと
正面から突き刺さるただの太陽の眩しさだけだ
前から歩いてくる他人の肩を避けるのすら
面倒くさくて体が泥みたいに重い
さっきまで冷笑を浮かべていた口元は
上がった息をハアハアと吐き出すために
だらしなく開いたままだ
大通りのうるさいノイズの中で
額の汗が
首すじをダラダラと垂れていく
熱い空気を吸って吐くだけの肺と
乾いた目でパチパチと繰り返すまばたき
その物理的な動きだけがそこに転がっている