図書館の大魔術師 第3話を読み、2点ほど気になっていることがありました。
まず一点目。ここまで主人公の少年の名前が明かされていません。「少年」「長耳」などと呼称されています。
これはまだ物語はプロローグ、つまり本編に入っていない序章ということなのでしょうか。
まだ少年は物語の主人公になっておらず、読者から主人公として認知されるだけの経験を積んでいる、ということなのかもしれません。
とすると、私たちは、少年がこの物語の主人公になる過程を目撃しているのであり、プロローグを通して主人公は私たちの英雄になっていくのかもしれません。
少年の名前が明かされ、物語の主人公になる瞬間が楽しみです。
それからもう一点。この国の中央図書館は大変民主的というか人権擁護的なのはなぜか?ということです。
第2話での解説
中央図書館は大陸中に図書館を配備して庶民にも本を広く届けたいという考えがありました
アンズの発言
図書館は立てただけでは生活の一部にはなりません
本を日々の暮らしに定着させるには やはり子供達 “未来の大人”に本を身近に感じてもらうことが大切です
セドナの発言
本にはね あらゆるものの一生を大きく動かす力がある
それはとてつもない力だ
だから司書はこの力をすべての人に届ける義務があるし すべての人はこの力を受け取る権利がある
これらの解説や発言は、庶民が書物に触れることを期待するものです。
しかし、一般に為政者は庶民が賢くなることを好みません。
政治が不安定になるからです。
しかしこの物語では、為政者は庶民に知恵を付けてもらいたいようです。
なぜでしょう?
また、中央図書館は本の獲得方法がとても穏便です。
古代エジプトにあったアレクサンドリア大図書館では、他の図書館の蔵書を強引に入手したという逸話もあるそうですが、この物語での本の獲得方法は持ち主との交渉を前提としており、権力に任せて入手することは禁止されているようです。
ファンタジーとはいえ、作者はどういう世界観の中で中央図書館の理念を作っているのか、いずれわかってくると思います。