アルテタ先生の特進コース20時間目 / 戦うということ
・いやー、この試合で負けるとはね。途中までは本気で負けるなんて思ってもいなかった・・・確かに誰しもが思った事でしょう。あそこでジョルジーニョが退場していれば、こんな事にはなっていないのではないかと。あそこでトレイラを引っ張った事でノーゴールになっていればと。ただ、そんな「たられば」を除いても、この試合でのアーセナルは「戦っていた」。まず、何よりこれがうれしかった。
-アーセナルのメンバー- ラカゼト オバメヤン Mエジル ネルソン (ウィロク) (ペ ペ) ゲンドジ Gジャカ サ カ Dルイス チェンバス ナイルズ (ムスタヒ) レ ノ SUB:マルティネス、マブロパノス、スミス・ロウ、ジョン・ジュールズ -チェルシーのメンバー- エイブラハム ウィリアン マウント エメルソン コバチチ Nカンテ アスピリ (ジョルジー)(Hオドイ) Fトモリ ズ マ リュディガ (ランプティ) ケ パ SUB:カバジェロ、クリステンセン、バークリー、バチュアイ

・開始早々からパスは繋がるし、相手へのタックルも激しいし、アーセナルペースで試合は進む。一対一のシーンでも勝負の姿勢もあるし、誰しもが前を向こうという意識が強く、相手の早いプレスにもいなす事が出来ていた。特にエジルのスルーパスはこの試合もキレッキレ。これはいつでも点が入りそうだなってタイミングでCKからチェンバースのすらしにオーバメヤン。アーセナルが何試合かぶりの先制点を獲得。これだけでもスタジアムの勢いは最高潮に達していた・・・また、たらればになってしまうんだけど、この前半にラカゼットに絶好球が届くんですよ。ここで決めていたら。後半にも振り向き様ボレーをウィロックが放ってるんですよ。GKが完全に見送ってしまったシュート。ころころシュートでも枠へ行けば入ったやつですよ。この2つが決められなかった。決して、1試合で何度も決定機がある訳じゃないチームなので、こういうとこを確実に決める事が勝利に繋がる。
-前半で変えるチェルシー- エイブラハム ウィリアン マウント コバチチ Nカンテ ジョルジニョ アスピリ ズ マ リュディ Fトモリ ケ パ
・前半はアーセナルが圧倒してました。追加点はすぐにでも入るだろうと。しかし、前半34分にあっさりと見切って4バックへと変更。ここ最近のチェルシーは3バック開始で4バックへ戻す作戦が結構あったそうで、これで結果が出ていない事から「迷走」しているという報道もあったぐらい。しかし、これは見事な采配となった。3枚から4枚に変更する事よりも、アーセナルの攻撃の起点が右のネルソンだったこと。ここでの一対一の攻防は完勝でした。ネルソン vs トモリ。この対面の相性が悪いと判断したんじゃなかろうか。事実、ネルソンはその後アスピリクエタ相手には勝負すら挑めない程になってしまった。結果的にアーセナルはここからポゼッションで優位性を保つ事は出来なくなった。更に中盤で自由過ぎたエジルも真ん中が3枚になった事で、後ろからボールをかっさらわれる事も多くなっていた。まず、自分達の課題を修正してきたというのがこの試合の勝敗を分けたのかもしれない。

・ただ、それでもチェルシーはここ最近になって「引いた相手を崩せない」という傾向がある。そのせいか、アーセナルも引いて守る戦術になっていた。これが狙いだったのかどうかは分からないが、勝つ可能性は少しでも上げておいた方がいい。何故なら、チェルシーペースであったけれども、局面での戦いで後手を踏むケースが多く、チェルシーはファールを乱発。マウント、カンテ、リュディガー、ジョルジーニョと警告を貰っていたのだ。それでも激しいプレスをやめてしまってはアーセナルにやられてしまう。なので、強めにトライすることは継続していたので、いつかは誰かが退場になるという雰囲気もあった。そこでのジョルジーニョの引っ張り。あそこで誰しもがイエローカードを予感させた。そして、退場処分になると。しかし、ここでラカゼットが血相を変えて異議を唱えた事で、逆にラカゼットにイエローが出てしまい、ジョルジーニョには注意も与えずにうやむやになってしまった。ここが勝負のアヤになってしまった。

・もはや、最後まで逃げ切るという展開になっていた。選手交代で流れを変える事は出来ず、もともと90分守るという戦術をやっていないアーセナルはサンドバック状態に。最終ラインまで引いて守備するオーバメヤンやラカゼット。いつしか、最終ラインはラインを上げる事もままならず。カウンターで追加点を取る雰囲気さえ無かった。むしろ、ダビド・ルイスが思いっきりクリアしただけで会場が沸く程に。そして、悪夢。ここまでアーセナルを幾度も救ってくれたレノ。責める事など出来ない。FKのクロスボールを飛び出して触れず。ガラ空きのゴールへ飛んだボールを直前でジョルジーニョがプッシュして1-1同点。また、奇しくもジョルジーニョなんですよ。現地のカメラクルーもジョルジーニョのゴール → ジョルジーニョがユニ引っ張ったシーン → 主審の背中を映すというアングルで編集していた。なんとも無念。3人を選手交代させた後に右サイドバックを突破されて、マイナスパスをエイブラハムで逆転。・・・ここではサカが足を釣ってしまっていたので、エイブラハムへのマイナスパスにも戻れなかった。5分で2失点。
・・・年内最後の試合も敗戦。しかし、この試合は勝てる試合だった。そして、誰しもが最後まで戦っていた。相手へデュエルで上回っているというのがまずアーセナルらしくないからね。それだけ身体を張っていた。もしかするとチェルシーじゃなく、アーセナルが誰かしら退場になってしまう可能性もあった。それだけ相手へのタックルはすさまじかった。これを毎試合出来るのならば、確かに4位以内は難しくない。ただ、この内容で勝たないと、また徐々に自身をなくしてしまう。そして、まるで狙ったかの様に次節はホームでマンチェスター・ユナイテッド。このチェルシー戦の様にまず「戦う事」。また、アツい試合を頼みます。