僕が第二クールの愛媛に勝った理由(わけ)

・この1週間でホワイト監督の解任、ならびに永井秀樹新監督の就任、韓国人FWカン・スイルの獲得とめまぐるしくヴェルディの話題が提供されました。さて、この時の愛媛の気持ちとしては、「このタイミングで監督変えるとかやめてくれよ・・・」って気持ちでしょうね。まず、ヴェルディが誰を使ってくるのか、どんなフォメなのか、どんなサッカーをするのか。全く分からないんですから。スカウティングなんかできない試合ほど難しい試合は無いですよ。ほんとご愁傷様です。
-東京ヴェルディのメンバー- レアンドロ 梶川諒太 (林 陵平) 河野広貴 (山本理仁) 渡辺皓太 藤本寛也 井上潮音 (森田晃樹) 永田拓也 平 智広 李 栄直 小池純輝 上福元直人 SUB:柴崎貴広、内田達也、澤井直人、奈良輪雄太 -愛媛FCのメンバー- 吉田眞紀人 近藤貴司 (丹羽詩温) 藤本佳希 (神谷優太) 下川陽太 野澤英之 田中裕人 長沼洋一 (山瀬功治) 前野貴徳 ユトリチ 山崎浩介 岡本昌弘 SUB:原 裕太郎、西岡大輝、有田光希、西田 剛

・おやおやおやおや、まぐったらこんなとこにまで広告を載せる様になっちゃったんですか? どういう事なんでしょうか。まぁ、他にいい画像が無かったので、実際は「両ワキ・Vライン」っていう言葉が欲しかっただけ。今回の永井新監督でさっそくホワイト監督と明らかな違いを観ることが出来ましたね。それが両サイドのポジショニング。河野の梶川ともにサイドへ開きっぱなしなんですね。ポジションをあまり動かずにサイドで固定。これをすることで相手の守備ラインを両サイドに意識をさせ、全体的にサイドを開く間延びさせる効果がありますね。そうなると、真ん中のレアンドロへ縦パスを入れやすくする。この試合では、特にこの「レアンドロへの縦パス」が物凄くキーワードになります。ホワイト監督とは明らかにこのレアンドロの扱いが違いますね。そうそう、こういう選手はボール触らないと調子出ないから。

・ツバメ返しっ!! いやー、申し訳ない今度はサムライスピリッツの話になります。今回はネタ元が分かりにくいっすね。んで、何がツバメ返しなのかというと、これは中断技なので立ちガードじゃないといけない。しかし、起き上がりに足払いをする事でどっちか分からせない。なので、延々とこのツバメ返しを食らい続けるという事になります。そう、知らないと防げないんです。今回のヴェルディも相手のスカウンティングに関してはおそらくやっていないと思います。愛媛のパターンでもある、最終ラインからサイド、サイドから中へ2本のパスで通していくというスタイル。このカタチだけで何度もGKと一対一に近いピンチが山の様に来てました。2点で済んで良かったという感じにもなってましたね。1つ目は平と渡辺のパス交換をパスカットした長沼のクロスから藤本のヘッド、2点目はセットプレイからこぼれをユトリッチ。愛媛としては幸運な2点で勝てると思ったでしょうね。
-東京ヴェルディのメンバー- レアンドロ 梶川諒太 藤本寛也 永田拓也 森田晃樹 渡辺皓太 小池純輝 平 智広 李 栄直 山本理仁 上福元直人 SUB:柴崎貴広、内田達也、澤井直人、奈良輪雄太
・ここで永井監督の修正能力なんてのも出てきますね。のちのち、どう語られるのかはわかりませんけど、ケガやアクシデントではなく戦術上の交代なのか、井上潮音の前半での交代。さらにロングボール作戦がほとんどゴール前まで入ってくる。そこを考慮しての3バック変更。ミラーゲームにすることで責任の所在を明確にしたってのもあるかもね。さらにCBでもパスセンスを求めているという事なのか、CBに山本を起用するという大胆な布陣。実際、最終ラインからびしっと縦パスを出したシーンもあり、永井監督の起用法などが面白い。まぁ、結果的に勝った訳ですから、采配ズバリという事になりますね。今後も負けたとしても、引き出しがあるか、相手を見てどう動くかにも注目していきましょう。更に3バックであっさりと1点を返したのも、変更して良かった感も出てますよね。

・・・変態? えぇ、まぐの事ですかね。そうだと思います。きっと、ヴェルディのゴール裏にもこう思った人いるんじゃないでしょうか。「シュート打て」「いつまでパス回してんだ」「点取る気あんのか」・・・実際にブーイングする人もいました、怒号も聞こえました。ただ、その人達にはまだこの境地に達してないだけなんです。そう、「パス回し選手権」に愛を感じていないだけ。説明しよう。「パス回し選手権」とは、ゴールを取る事を忘れてしまったかの様に、ひたすらにパスを繋ぎ続ける行為を指す。この試合の後半。かなりの時間帯で出てましたよ。ヴェルディを応援して四半世紀になりますか。まだ、ヴェルディというものを知らない人も多いでしょう。twitterをまぐがyoutubeの更新情報のみに使っているのは、ヴェルディの話をしたくても、まぐの時代じゃないからです。なんでかって? 変態だから。「パス回し選手権」大好きだから。93年から観てっから。これが好きでヴェルディ観てると言っても過言じゃねーから。後半開始からゴールまで。特に小池のゴールからレアンドロまでの間、右に左に延々とパスを繋いでは戻して、パスを繋いでは戻して。実況も「ヴェルディが攻めあぐねてますか?」なんてふざけた事をぬかしてますけど、これこそが「ヴェルディらしい」サッカーというもの。さぁ、みんなこっちの世界においで・・・あはあは、えへえへ。うん、まぐはtwitterとかやらない方がいい。キモい、ヤバい、変態。

・さて、変態の話はおいといて。ちゃんと説明しないとね。「パス回し選手権」の本当の狙いはパスだけじゃなくて。実際は「綻び」を待っている。どこかのタイミングでこの試合のキーワードである「レアンドロ」へ当てるのを狙っている。昔の格言にあるじゃない? ホトトギスってやつ。例えるなら、「出せぬなら、出せるまで待とう、レアンドロ」・・・字余り。みたいな感じ。つまり、試合を通して1度も出すチャンスが無いなら、最後までパスを回すだけで終わってしまうって事。なので、パスを回すだけ回して何も決定機が無くって0-1で負けってのも「ヴェルディらしいサッカー」の1つとも言える。自分達の信念を貫き通して朽ちていくのもまた本望。さらに言うと、レアンドロがポスト役になることで「ゼロトップ」気味に位置が変わる。そこへこの試合では藤本が開いたスペースを狙っていた。そのカタチでゴールチャンスは無かったけれども、相手にとっては左右に振られるだけでも相当な体力の消耗と、頭を使わないといけないのでどこかでサボってしまう部分も出る。必ずダメージにはなっている。更に同点のシーンは左サイドで平が余っていた。今回ではパス回し選手権の関係上、相手がどこかでサボるシーンが出てくれた。そこでピンポイントクロスから同点に出来た。小池、梶川、小池、渡辺のワンツーでは愛媛のDFが全員動けなかった。そういう効果も充分にある。あ、ついでみたいで悪いけど永田ゴールおめでと。
東京ヴェルディ 3-2 愛媛FC
得点者:小池、レアンドロ、永田 / 藤本、ユトリッチ
MOM:FWレアンドロ(2度目)
MOM:MF小池純輝(6度目/通算15度目)
MOM:DF平 智広(3度目/通算10度目)
MOM:MF永田拓也(2度目)
MVP:DF山本理仁(初選出)
MVP:DF李 栄直(2度目/通算8度目)
MVP:MF長沼洋一(見事なパスカット、見事なクロス)
MVP:MF田中裕人(無人のゴールにスーパークリア)
・レアンドロを隠すなら中盤の中。まさにゴール前に選手が居ない状況になってるシーンもあったんですが、それでもサイドで深くえぐった場合はクロスをあげる方針の様ですね。小池が何度かクロスを上げてるシーンもあったので、ボックスの中でもう一度レアンドロに戻るシーンもみたいっすね。ボレー空振りってのもあったし。それにしても、あのヘッドは素晴らしいですね。かつてカズが「蛙飛びヘッド」って言ってました。ガニ股にして空中で足をかく。美しくない格好なんだけど、最も空中で安定した体勢でヘッド出来ると。最近ではあんまり見ない往年のヘッドでした。ロナウドとか腹筋も背筋も使った「くの字型ヘッド」だもんね。格好いいしシャープだもんね。
・・・・とまぁ、筆も進んで変態チックな観戦記になりましたが、まぐはきっと負けてもこれ書いたと思います。「パス回し選手権」の良い部分が出た試合なので、今後の観戦の参考にはなるでしょう。ただ、この「パス回し選手権」の悪い部分で負ける試合も当然あります。横パスを奪われてカウンターで失点とか想像に難くない。実際に先制点がその失点だしね。相手だって研究して、いかに「縦パス」を封じて、いかに「横パス」を奪うかに執念を燃やすでしょう。実際、このサッカーで川勝、富樫で昇格してないという事実もある。それでも、僕らは明日も明後日もJ2で横パスを回すんだ。J1という名の縦パスを通せるまでね。上手い事言ったつもりで、10年かかっとるけども。