WCWライズ&フォールその2
- WWE WCW ライズ&フォール [DVD]
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・はい、前回書いてて長くなってきたので2週にまたいでます。今回もWCWというプロレス団体のお話です。こないだまではWCWの歴史を御紹介しました。しかし、今回はWCWがアメリカでナンバーワンのプロレス団体にまで登り詰め、WWEというプロレス団体を倒産寸前にまで追い込んだお話です。まぁ、最後は自分たちが倒産するんです。その栄光と影を御紹介します。
・エリックは改革を次から次へと行ったが、ワンマン経営者では無かった様だ。様々な意見を総合し、色んなアイデアを生み出した。元AWA出身でプロレスが好きなだけでなく、テレビ業界に身を置いていたという事も手伝って番組作りの手腕には長けていた。テレビ番組の収録には、ハリウッドのスタジオを使用することで音響・映像・照明・花火など盛り上げた。そして、最大の功績は何と言っても「ハルク・ホーガン」である。WWEから退団し俳優の道を目指していたホーガンは行き詰っていた。キャラが立ち過ぎて俳優業は上手くいかなかったのだ。そこを狙い撃ちして引き抜いた。更にWWEで実質引退に追い込まれ解説をしていた「マッチョマン」ランディ・サベージも獲得。
・そして、戦争のはじまり。マンデー・ナイト・ウォー(月曜夜の戦争)と題された番組が始まる。テッド・ターナーの前でプレゼンを行っていたビショフ。唐突にもテッドから「WWEに勝つにはどうしたらいい?」の問いに、「WWEと同じゴールデンタイム」が欲しいと訴えた。知らなかったが、このDVDの中にはビショフ自身が「解雇されるかもしれないから必死だった」と語っている。期せずして戦争ははじまった。テッドがくれた放送時間はWWEの放送時間と同じ月曜夜だったからだ。↓がお互いの番組名だが、喧嘩を売っている以外の何物でもない。これは視聴者の方も盛り上がっただろうな。
WWEの番組名は「Monday Night RAW(マンデー・ナイト・ロー)」
WCWの番組名は「Monday NITRO(マンデー・ナイトロ)」
・番組名だけでなく、初回のナイトロ放送ではWWEの人気レスラー「レックス・ルガー」を引き抜いた。さらに女子王座のアランドラ・ブレイズは王座を持ったまま移籍し、ゴミ箱にベルトを捨てさせるというギミックまでやらせた。物議を醸す事は、視聴者を増やす事に繋がる。これがWCWを更に上昇させる。ズルい手段だが日本の番組でもこの手法は用いられてる技、そう番組を3分早く始めるのだ。その間に録画放送だったWWEの番組の結果をバラすという非道な方法もやってのけた。
ハルク・ホーガン悪役転向の瞬間
・WCWを頂点に押し上げた最大の功績がコレ。WWEの人気レスラーであった「バッドガイ・レイザー・ラモン」こと「スコット・ホール」、「ディーゼル」こと「ケビン・ナッシュ」の移籍劇だ。公然とWWEからやってきて乗っ取りにきたというストーリーを作った。これはビンスの許可を得ていないので裁判沙汰にもなったらしい。さらに無法者に第3の男が参入する・・・永遠のベビーレスラーだった「ハルク・ホーガン」の悪役。ニュー・ワールド・オーダー(新世界の秩序)と題したnWoの人気は社会現象にまでなったという。後にビショフはこのnWoのネタを日本のプロレスを参考にしたと語っている。UWFと新日の抗争をヒントにしたらしい。WWE側では大問題になったブレット・ハートのモントリオール事件だが、WCW移籍後はWWEほど活躍はしなかった。
・WCWを押し上げたのは、レスリングの質の高さもあったという。ECWで人気だったクルーザー級のレスラーをほぼ全員に近い人数を引き抜いた。レイ・ミステリオ、クリス・ジェリコ、クリス・ベノワ、エディ・ゲレロ、ディーン・マレンコ。日本人ではウルティモ・ドラゴン、獣神サンダーライガーらも参入した。そして、ビショフが作ったアイデアの中でも最も評価されたのが「ゴールドバーグ」である。アメフトの選手でWCWの道場からスタートし、WCWでデビューして王座にまで登り詰めた。控室をノックするところから始まり、花火を全身に浴び煙を吹き、相手をパワー勝負にもっていき5分以内で倒して無言のまま立ち去る。デビューから173連勝を飾り、1年でホーガンすら倒して王座となった。実際、5分以内で終わらせるのは経験不足を隠す為の物だったと言われている。それでも、ゴールドバーグはWCWを引っ張る存在にまで成長する。
nWoのエントランス
WCWを解雇になったジェリコをWWEスターのロックと絡ませる
・WCWの凋落・・・奇しくもビショフがバイクに乗り王様の格好をして、WWEに視聴率争いで何週連続で勝ちまくってると宣言してから負ける事となる。WCWはnWoの人気で持っていたが、毎週毎週nWoのヤラレ役になっていても面白くないと一時期20人以上がチームに所属した事もあった。ここらへんから統制が取れなくなり、ホーガンやナッシュ、スティングらの一部の大先輩だけの番組となっていき、若手や中堅どころは出番を失う事となった。それに比べてWWEでは、ショーン・マイケルズやHHHのD-X、アンダーテイカーやマンカインド(元WCWでもあった)、新人で若手のザ・ロックも台頭し、タッグ王座にはエッジ&クリスチャン、ハーディーボーイズなど若手が次々とデビューしていた。ビッグショーの移籍がきっかけとなり、WCWの若手が次々とWWEへ出番を求めて移籍する様になった。当然、解雇同然で出ていくので保証金も存在せず、WWEにとってはタダ同然で良質な選手を獲得出来たのである。極めつけは、WCWで解雇された選手の大活躍。WWEでの主軸を担っていたストーリーは会長のビンスとストーン・コールドとの抗争。WCWのnWoの様な権力が強いストーリーとは違い、特権階級のビンスがビール飲みのストーンコールドにスタナーをされるという真逆の内容でもあった。さらに解雇同然のクリス・ジェリコはデビューでザ・ロックと絡んだだけで一流スターの仲間入りし、後にWWE・WCW統一王座を手に入れるスターにまで登り詰めた。
・結果、2001年ECWがWWEに買収される。同年、3月WCWもWWEに買収されることとなった。DVDではいろいろと当事者たちが後悔や、あの時あーしていればこーしていればと語っている。更には3枚組なのでWCWの名試合も収録されている。リック・フレアー vs スティングなんてやっぱすごいわ。WCWを改革した男であるビショフは後にWWEのRAWのGMを務めた事もありますね。あれも凄いサプライズでした。もし、少しでもWCWに興味があったなら買ってみるのをオススメしますよ。