名人誕生―面白南極料理人 (新潮文庫) | 誇りを失った豚は、喰われるしかない。

誇りを失った豚は、喰われるしかない。

イエスはこれを聞いて言われた。
「医者を必要とするのは、丈夫な人ではなく病人である。わたしが来たのは、正しい人を招くためではなく、罪人を招くためである。」
(マルコによる福音書2章17節)

この作者は2回南極越冬隊に参加しておりますが、

 

ここに紹介されているのは主に1回目の第30次

 

越冬隊に参加したときのエピソードが収録されて

 

います。

 

いやぁ、濃いメンバーがいるもんだなと読んでいて

 

思いました。

 

 

 

 

 

西村淳さんは30次と39次の2回、南極観測隊に同行して

 

それぞれ約1年半を地の果てという言葉が最もふさわしい

 

南極ですごされているわけですが、そのどっちもまぁ、

 

非常に濃ゆい体験で、読んでいて思わずゲップが

 

出そうになります(笑)。

デビュー作の『面白南極料理人』(新潮文庫)の

 

ほうでは主に39次南極越冬隊の事が書かれて

 

いるのに対して、今回紹介する本書では、西村淳さんが

 

最初に行った第30次南極越冬隊で経験したことの

 

あれこれをそれはそれは面白おかしくつづって

 

おりまして、読んでいて非常に元気の出る本に

 

なっております。

この本を読んでいると、西村淳さんではありませんが、

 

本当に世の中にはいろいろな人がいるということを

 

まざまざと見せ付けられます。

例えば、旧帝国大学系の国立大学を出て、研究一筋に

 

生きて、まともに働いているのかどうなのかそれすら

 

わからない人がいたり、まったくやる気のない調理担当が

 

いたりと、まぁ読むほうからすれば多士済々な面々で、

 

普通に社会生活を送っていたら、決して出会わない

 

ような人たちばかりでした。

西村淳さんによると、ここに書かれていることは

 

まだまだ序章らしく、もっともっとネタはあるのだと

 

いうそうなので、僕は首を長くして、西村淳さんの

 

最新刊を待っているところです。なお、西村淳さんは

 

現在、海上保安庁を退官後、仲間たちとともに 


「いい加減は良い加減」


をテーマに、小さな小さな会社

 

オーロラキッチン

 

を立ち上げ、「南極料理人」として始動し、以降

 

作家兼料理人として多忙でマルチな活動を

 

続けている。とのことです。

西村淳さんの今後に心から期待しております。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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