海を喰らう山を喰らう―全国「漁師・猟師」食紀行 | 誇りを失った豚は、喰われるしかない。

誇りを失った豚は、喰われるしかない。

イエスはこれを聞いて言われた。
「医者を必要とするのは、丈夫な人ではなく病人である。わたしが来たのは、正しい人を招くためではなく、罪人を招くためである。」
(マルコによる福音書2章17節)

本書で取り上げられている食事こそが本当の

 

グルメであると僕は確信しております。

 

海のものも山のものも野趣あふれる料理で、

 

思わず胃がきゅうっとなりました。僕が甲斐崎氏の

 

ことを知ったのは大学時代のことです。

 

 

 

 

僕は大学時代にこの人の『豪快! 野生を喰らう』(講談社)

 

というルポルタージュを何度となく読み返していましてね。

 

以来ずいぶんと影響を受けていたんですが、それから

 

ずいぶんと時はたっているのですが、こうしてこの作者の

 

著作が偶然手に入ったので、読んでおります。

東京などにたとえばすんでいるとして、お金に糸目を

 

つけなければいくらでもおいしいものは食べられると思います。

 

しかし、ここに取り上げられている料理は鮭のチャンチャン焼き、

 

それも漁師が仕事の合間にささっと食べる形式のものや、

 

取ったその場で捌いて食べるイノシシの牡丹鍋。

 

トドの心臓や肝臓の刺身。2メートルのたこや、とれたての

 

スケソウダラを丸々一匹使っての沖汁など、まさに野趣

 

あふれる味で、絶対にご当地でしか食べることの出来ない

 

ものだと思います。

僕も地元にいるときに気まぐれで真鱈のアラをスーパーで

 

買ってきて、沖汁風の味噌汁を作って食べたことが

 

ありますが、それなりにおいしく、ここにかれていることが

 

若干ながら、理解できました。

 

僕にとって本当のグルメとはこういうものを言います。

 

おされなレストランで高いカネをハラって食うのもよござんしょうが、

 

こういう野趣あふれる料理を豪快にかぶりつくのもまた作者の

 

言うところの「食の豊饒」であると思っています。

 

 

 

 

 

 

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