町田康氏の愛犬であるスピンクが主人のポチこと
町田氏のや奥様の美微さんとの日常や兄弟の
キューティー、シードとのことを書いた「スピンク日記」の
書籍化第3弾です。
スピンクが八面六臂の大活躍を見せてくれます。
本書は作家、町田康氏夫妻の愛犬であるスピンクが
「主人ポチ」こと町田氏と奥様(ここでは「美微さん」と
呼称される)と兄弟犬であるキューティー、シード。
さらには猫たちの大家族の日常を彼の目線から綴った
日記の第3弾です。
本書で5歳を迎えたスピンクはまさに八面六臂の大活躍
ぶりでありまして、本書の基となった「スピンク日記」に
加えて犬専門の雑誌では町田氏と共にモデルを務め、
更には美微さんがオーナーを務める犬の保育園・ペットホテル
『CASA DI SPINK ☆スピンクの家☆』の店長兼看板犬として、
日々経営や接客に努めているなど、忙しい日々を送って
いるとのことです。
しかし、事あるごとにシードに翻弄されたり、キューティーが
町田夫妻の所に来るまでに過ごしてきた過酷な生活を本人の
口からきかされて呆然としたりとしているわけですが、
そういった日々起こっている大小さまざまの事件が合間合間に
はさまれるスピンク達の写真四季の移り変わりとともに
描かれていくのです。
笑いの中にも時々、ハッとさせられる話やほろりとさせられる
話があり、最後まで飽きさせませんでした。このシリーズを
読むたびにつくづく思うのですが、スピンクは犬として町田康氏の
一番傍にいることができるからこそ、町田氏の普段は見せない
姿を描けるのではないかと。
「犬」の目線から見た作家・町田康を今回も存分に楽しむ
ことが出来ました。
※追記
2017年06月27日、スピンクは旅立って行ったとのことです。
享年10歳。あまりにも突然の訃報だったので、
町田康先生夫妻はもちろんのこと、僕自身も本当に
驚きました。
いつか彼に直接会ってみたかったので、残念でなりません。
この場をお借りしてスピンクのご冥福を心より、
お祈りいたします。
スピンクの壺 (講談社文庫)
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