スピンクの壺 (講談社文庫) | 誇りを失った豚は、喰われるしかない。

誇りを失った豚は、喰われるしかない。

イエスはこれを聞いて言われた。
「医者を必要とするのは、丈夫な人ではなく病人である。わたしが来たのは、正しい人を招くためではなく、罪人を招くためである。」
(マルコによる福音書2章17節)

町田康氏の愛犬であるスピンクが主人のポチこと

 

町田氏のや奥様の美微さんとの日常や兄弟の

 

キューティー、シードとのことを書いた「スピンク日記」の

 

書籍化第3弾です。

 

スピンクが八面六臂の大活躍を見せてくれます。

 

 

 

 

 

本書は作家、町田康氏夫妻の愛犬であるスピンクが

 

「主人ポチ」こと町田氏と奥様(ここでは「美微さん」と

 

呼称される)と兄弟犬であるキューティー、シード。

 

さらには猫たちの大家族の日常を彼の目線から綴った

 

日記の第3弾です。

 

本書で5歳を迎えたスピンクはまさに八面六臂の大活躍

 

ぶりでありまして、本書の基となった「スピンク日記」に

 

加えて犬専門の雑誌では町田氏と共にモデルを務め、

 

更には美微さんがオーナーを務める犬の保育園・ペットホテル

 

『CASA DI SPINK ☆スピンクの家☆』の店長兼看板犬として、

 

日々経営や接客に努めているなど、忙しい日々を送って

 

いるとのことです。

 

しかし、事あるごとにシードに翻弄されたり、キューティーが

 

町田夫妻の所に来るまでに過ごしてきた過酷な生活を本人の

 

口からきかされて呆然としたりとしているわけですが、

 

そういった日々起こっている大小さまざまの事件が合間合間に

 

はさまれるスピンク達の写真四季の移り変わりとともに

 

描かれていくのです。

 

笑いの中にも時々、ハッとさせられる話やほろりとさせられる

 

話があり、最後まで飽きさせませんでした。このシリーズを

 

読むたびにつくづく思うのですが、スピンクは犬として町田康氏の

 

一番傍にいることができるからこそ、町田氏の普段は見せない

 

姿を描けるのではないかと。

 

「犬」の目線から見た作家・町田康を今回も存分に楽しむ

 

ことが出来ました。

 

 

 

※追記
2017年06月27日、スピンクは旅立って行ったとのことです。

 

享年10歳。あまりにも突然の訃報だったので、

 

町田康先生夫妻はもちろんのこと、僕自身も本当に

 

驚きました。

 

いつか彼に直接会ってみたかったので、残念でなりません。

 

この場をお借りしてスピンクのご冥福を心より、

 

お祈りいたします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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