中川先生のバンド『FONTE』のライブにこっそり行きました。
お邪魔にならないように1番後ろの席でマスクしてこっそり見てたら、タンバリン、もとい、パンデイロ奏者の安井源之新さんが僕の方をじっと見て『あれ!多久さんじゃない?!きてきて!楽器あるでしょ!なんか吹いて!』
とステージに駆り出されました。
源之新さんはこの収録で一緒になったタンバリン、もとい、パンデイロ奏者です。動画から分かるように物凄くエンターテイメント性溢れるお方です。
中川先生と一緒に演奏するのは確かに私の夢でありましたが、
初見で知らない曲を、達人の皆様と一緒に演奏させていただくのはお邪魔にならないかただただ不安。
お客様はお金払って『FONTE』を見に来てますからね。
とはいえ前に出るならしっかりと客席を沸かすのが礼儀。ちゃんと1人カデンツ芸を披露して、中川先生ともアドリブバトルさせていただきました。
洗濯機の上にCDコンポのっけて、フォーシーズンズを真似しまくってたあの日の僕よ。25年位したら隣でアドリブする事になるぞ。しっかり自分の藝を磨けよ。
終演後、先生にご挨拶しにいったら
『君は大学入ったときからすぐに変わった事やってたよね』と言われ、「周りがうま過ぎて王道路線から早々に離れました」と笑いながら答えたのですが、
「上手いって、コンクールの中での話だろ。あんなみんなでおんなじ曲ばっかやってさ、気持ちわりぃよ!(笑)」と一蹴。
『変わった事』はアーティストにとっての第一歩目。
唯一無二のスタイルの先生が仰る『変わった事』は100%の肯定のエネルギーを持っていて嬉しかったです。
先生は本当に楽しそうにフルートを吹かれる。
自分の吹きたいフルートを吹いて、ちゃんとお客さんのハートも持ってく。
『お客様の為に』と掲げて自分の音楽に責任を持たない人とは比べ物にならない。「指揮者が」「共演者が」
人に責任をとらせると楽しくは吹けない。
自分の音楽を責任を持って肯定する力、自信があって初めて楽しく吹ける。
名手はそれをステージで教えてくれます。
中川昌三先生、御年77歳
凄すぎて、格好良過ぎました。
御年77才。多分年齢が行けば行くほど聴いている人の度肝を抜くであろう衰え知らずのテクニック。
ファンとしての期待と、
同業の後輩として襟を正す思いと、
両方入り混じって、とにかく
もっともっと背中を追いかけたいなと思いました。
素敵な時間でした。