振り返ってマグナム

埼玉公演中止、という予定外の事態になってしまったマグナムツアー２０１１。
毎日てんやわんやで駆け抜けた３月を振り返ってみようと思います。

まずは島根公演。
３月１２日に島根入りのはずがご存知のとおり前日に大震災が起こりました。
その時僕は池袋のサンキョウ工房でレッスン中。僕のレッスンを受けにはるばる静岡からいらっしゃった生徒さんでした。

「良い立ち方のコツは、足元が不安定な所に立ってると想像するんです。グラグラと揺れている所で上半身を脱力すると、ほら、いくら揺れても大丈夫ですよ～～ほらほら～安定してま～す、クネクネ～～」

「あれ、先生、なんか本当に揺れてません？」

「いくら揺れても大丈夫ですよ～～ほらほら～～ｱﾊﾊﾊﾊ」

「先生！本当に揺れてます！地震！」

レッスン室の外にでるとフルートが沢山入った（推定 計２千万）ショーケースが今にも倒れそうになっていて店長とスタッフが必死に押さえていました。

幸いフルートは全て無事でしたが、これは尋常じゃない揺れ方。すぐテレビで確認すると震源地は東北だと言っているじゃありませんか。

東京でこの規模の揺れだったら震源地は今大変な事になっていると感じ、どうなっているのか考えるのも恐ろしかったです。

結局交通機関は全てマヒ。
その日は工房にて一泊することになりました。
包装用プチプチと楽器磨き用の布で寝床をこしらえる。

明日は島根で公演なのに…
しかしこの地震が今後未曾有の事態に発展していくとはこの時は知る由もありませんでした。


つづく