華紡ぎ -恋絵巻- -5ページ目

華紡ぎ -恋絵巻-

恋の迷い道も二人ならば怖くはないだろう?

秋が進むにつれて紅葉の色づきも

日に日に濃くなっていくね。

 

 

清凉寺

 

 

 

嵯峨野

 

 

 

上賀茂神社

 

 

 

隨心院

 

 

 

月日が経つのは早いもので明日は新嘗祭だ。

新嘗祭では、今帝が神々に収穫の感謝をされ、

御親らお召し上がりになる。

新嘗祭の『嘗』という字は召し上がること。

つまり新しい穀をお召し上がりになる儀式だから

新嘗祭と呼ぶわけだ。

 

米は主食というだけではなく、

人と神を結ぶお供え物と考えれば、

収穫し過ぎたから捨てる等という勿体ないことは

出来ない筈なのだが、それが時代の移り変わり

というものなのかな…残念ながら。

 

そして様々な祭祀の折に、

御剣をご使用されるわけだが、

神嘗祭では山城国吉光御太刀(一期一振)

新嘗祭では大和国天国御太刀(小烏丸)と

山城国国綱御太刀(鬼丸)だったかな…?

このあたりの話は私よりも、審神者をしている

神子殿の方が詳しいかもしれない。

 

 

それが済めばあっという間に師走に入り、

忙しない毎日を過ごしているうちに

追儺の儀式をするようになるのだろう。

 

方相氏という呪師の役を大舎人が務める。

熊の皮を被り、黄金の目が四つある面、

そして黒衣に朱の裳を身につけ、

鉾と盾を持って疫鬼を追い払うのだが、

この面がなかなか珍妙なのだよ。

 

実際に大晦日が近づいたら、

もう少しそのあたりに触れようか。

私が忘れなかったらの話だがね。

 

 

冬になる前に少しずつ室内を清めていく人も

中にはいるかと思うが、不要な品物があるのなら

思い切って処分した方が良い。

ただ、そのまま捨ててしまうと廃棄された器物は

腹を立てて、付喪神が宿り人を誑かすこともあるから、

捨てる時は心の中で「今までありがとう」と

感謝の気持ちを唱えても良いかもしれない。

 

 

 

まだ晦日までにひと月以上あるのだから、

暖かい日を選んでやりたまえ。