年が改まってから八日も経ってしまい、
新年の挨拶をする機会を逃したね。
正月に考え事をしていたら、
あっという間に時間が過ぎてしまった。
新年早々こんな事を言うと、
神子殿に愛想を尽かされるかもしれないが、
今年こそは自分を見つめ直していきたいと
考えているのだよ。
怠惰な時間(とき)を進むのか
別の道を歩むべきなのか
考えを放棄するのは容易い。
楽な道を選択するのはもっと簡単だ。
だが私は今一度考えるべきだと思う。
自分が何故『私』でいるのかを。
此処で“橘 友雅”と名乗れるだけの
力量があるのかどうかを……
私は吹けば飛ぶような人間で、
八葉として必要とされなければ、
神子殿の傍にいる資格など無いのだからね。
だが勘違いしないで欲しい。
私は君に声をあげて「必要だ」と
言って欲しいわけではないよ。
ただそこを見極めて、
今後の道を決めていきたいのさ。
好きという気持ちだけで、
永遠にやっていけるものではないし、
続けるならば、神子殿をがっかりさせないだけの
力量が必要になる。
それが果たして今の私にあるのか。
今すぐどうこうという事はおそらく無いが、
真面目にそういった事を考えていきたいから
時間をもらえまいか。