華紡ぎ -恋絵巻- -3ページ目

華紡ぎ -恋絵巻-

恋の迷い道も二人ならば怖くはないだろう?

年が改まってから八日も経ってしまい、

新年の挨拶をする機会を逃したね。

 

正月に考え事をしていたら、

あっという間に時間が過ぎてしまった。

 

 

 

新年早々こんな事を言うと、

神子殿に愛想を尽かされるかもしれないが、

今年こそは自分を見つめ直していきたいと

考えているのだよ。

 

 

 

怠惰な時間(とき)を進むのか

 

 

別の道を歩むべきなのか

 

 

考えを放棄するのは容易い。

楽な道を選択するのはもっと簡単だ。

 

 

 

だが私は今一度考えるべきだと思う。

 

自分が何故『私』でいるのかを。

 

 

此処で“橘 友雅”と名乗れるだけの

力量があるのかどうかを……

 

 

私は吹けば飛ぶような人間で、

八葉として必要とされなければ、

神子殿の傍にいる資格など無いのだからね。

 

 

だが勘違いしないで欲しい。

 

私は君に声をあげて「必要だ」と

言って欲しいわけではないよ。

 

 

ただそこを見極めて、

今後の道を決めていきたいのさ。

 

 

好きという気持ちだけで、

永遠にやっていけるものではないし、

続けるならば、神子殿をがっかりさせないだけの

力量が必要になる。

 

それが果たして今の私にあるのか。

 

今すぐどうこうという事はおそらく無いが、

真面目にそういった事を考えていきたいから

時間をもらえまいか。