今日は三箇日の最終日。
元旦に顔を出せなくて済まなかったね。
改めて明けましておめでとう。
昨年の正月も遅ればせながら…と
書いた記憶があるけれど、何せそこは私のことだ。
神子殿も元旦早々、私が挨拶に訪れるとは
はなから思っていないだろうから、ならばご期待通り
後から挨拶に伺おうと思っていたのでね。
古くは奈良時代に年末年始の挨拶回りをする
という文化が広まり、平安の世になってからは
直接顔を合わせられない遠方の相手などに
文を送るようになったことが、
後世の年賀状の起源らしいよ。
この細い月は元日の朝に見たものだ。
初日の出が昇る15分程前かな。
朔(新月)の二日前だから限りなく細い。
暁月を暫く眺めていたかったのだが、
この後あっという間に東の空が明るくなってきてね。
おや…
日の出は見せてくれないのかと首を傾げているかい?
ふふふっ…そう可愛い顔で怒らないでくれまいか。
意地悪をしているわけではないのだよ。
雲一つない空に昇った太陽だったから、
あまりに眩しすぎて、長い時間直視出来なかったのさ。
午後になって外へ出てみたら、
芳しい香りが漂ってきたので近寄ってみると
雪中花(水仙)が咲いていたよ。
真っすぐ伸びた凛とした姿が美しいね。
また月の話に戻ってしまうが、
今宵は今年初めての朔月。
私は泰明殿のように陰陽師ではないし、
星の流れを読む力もないから、
ただ眺めるだけになってしまうけれど
気が向いたら婚い星(よばいぼし=流星)を
見つけてみようか。
これからが冬本番だ。
疫病以外でも体に気を付けてお過ごし。