前が見えない。
手が届かない。
求めなければ
失うことも無いのに、
どうして求めてしまうのかしら。
近寄れば近寄るほど
なぜ離れていくの？
なぜ近くにあるのに
手が届かないの？
そんなことを繰り返していくうちに
手を伸ばすことさえ、しなくなった。
でもなにかを求める心は止まらない。
だってそれが「生きる」ということ。
求まらなくてもいいのかな。
そんな気がしてきたよ。
求まらなくったって、
求めて求めて、
ひたすら追い求めて、
無邪気な子供の頃のように
純粋に信じて
追いかければいいのかなあ。
でもそんなふうに思えるのかな。
今の私は
捨てられた子猫のように
ただ泣いて
愛情を求めて
誰かが手を差し伸べてくれるまで
震えて待っていることしかできない。
いつか自分の足で
探して、求めて、歩いて、
見つけ出さなきゃいけないって
頭では分かってる。
だけど今は
どうしていいかわからなくって
ただ泣いてしまうんだ――
何にそんなにおびえているんだろう。
何にそんなに震えているんだろう。
ただ生きていく
それだけのことが
どうしてこんなに難しいんだろう。
今日もただ
寒さに震えながら
夜空を見上げて
何かを待つよ――
