『レッドクリフ』に物申す | 『都落ちオヤジ』のひとりごと(めざましTVとサッカーを愛するオヤジのボヤキ)

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『三国志』と『三国志演義』は違う


『レッドクリフ』が話題になってますね。あくまでも物語としてみたら楽しいと思いますが、史実に基づいて作られてるとカン違いしてる人が多いので物申します(笑)


まず今回の舞台である赤壁の戦いは実際に魏の曹操と呉の孫権(実際に戦闘を指揮したのは大都督の周瑜・今回の主役であるトニー・レオンが演じる)の間で繰り広げられましたが、物語のように壮大な戦闘が行われたのではなく、風土病にかかった兵士が多くて士気が下がった魏軍が、呉軍の火計で必要な船を失ったため撤退したというのが一般的な話です。(もちろん三国時代が魏の後継国である晋に統一されたので、歴史は魏に都合よく書かれている面もありますが)


『連環の計』(魏の船を兵士が船酔いしないようにくくり付けるように仕向け、火計で燃え易いようにした)や『苦肉の策』(呉の老将・黄蓋が周瑜と仲たがいしたフリをして、黄蓋が周瑜にムチ打たれるという偽計をはかり曹操を信用させて、投降したフリをして魏の船団を焼き尽くした)はあくまでも三国志演義ので膨らまされた物語です。


(金城武が演じる)諸葛亮だけはなぜか(姓名ではなく)字の孔明という呼び方をしてるのも『日本の三国志ブーム』を意識しててあざといです。

日本人は本当に劉備や諸葛亮が好きなのですが、これは小国である蜀が大国である魏に立ち向かう姿を、日本がアメリカなど欧米の列国に立ち向かう姿になぞらえた戦前教育の悪しき名残だと思います。(世界の歴史上小国が大国に侵略するということはまれですから)


そんな『三国志愛好家』にショックになる事実を・・・


孔明は玄徳(劉備)の軍師ではありません


軍師中郎将という官職を得ていますが、これは『軍師』としてイメージされる総参謀長というポジションではなかったようです。

かれが軍政を取るようになったのは劉備の死後に息子の劉禅の丞相(今でいう総理大臣)になってからで、それまでは群臣の中の一人だったようです。(『三顧の礼』で地位が高く評価されすぎている)


そも劉備軍の軍政をつかさどったのは諸葛亮のあだ名である『臥龍』(がりゅう・寝ている龍のこと)とならび称された『鳳雛』(ほうすう・鳳凰の雛のこと)こと龐統(ほうとう)であり、彼が戦死した後は、蜀の劉璋の部下であった法正(ほうせい)がその役目を引き継ぎます。この2人が軍政を敷いてる間は安泰だった劉備軍ですが、法正が病没した後に荊州失陥、関羽戦死、劉備客死という失態が続くのです。


劉備が『関羽の仇討ち』と呉に攻め込み大失敗した時に、諸葛亮はこう嘆いています。


『ああ、法正が生きていれば、主君を諫めたであろう。彼が居れば、たとえ戦になっても、これ程の大敗にはならなかった筈だ』


だからといって彼が偉大な人物では無かったいうわけではありません。内務大臣としては比類なき才能を発揮し、軍事面でも生前は魏の侵攻を許しませんでした。でも『三国志演義』に書かれてる神様のような存在ではなかったようです。(現在の四川でも人気は高いが、本当に神様なのは同じ劉備の部下でも関羽のほう。しかも『商売の神様』)


『三国志(演義)』は魅力的な物語ですが、史実とは異なります。『レッドクリフ』でその世界にはまりこんでも、それはあくまでも物語の中でのお話ですので『東洋史』に詳しくなったとカン違いされませんように・・・



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