本作品は二次創作作品です。

スライム相当ではありません。





西暦????年??月??日

湖付近の森。


「ハァァアア!!」

「甘いぞチルノ。ただ突っ込んで来るだけじゃ相手は倒せない!」


森の中では一人の妖精が木の棒片手に、人間と相対していた。

「黒い人!言いたい事は解るけど難しくない!?」


「頭で解るな。身体で覚えるんだ」

人間に切り掛かる妖精だが、人間の身体には掠りもしない。


人間が必要最低限の移動だけで妖精をあしらって居るからだ。

すると青い髪の妖精は一旦攻撃の手を休める。


そして棒を腰溜めに構えた。

「そう。それでいい。相手の実力が未知数の時に深追いはするな。そして相手を見極めろ」


「…………」

人間の言葉に耳を傾けつつ、妖精は妖精らしからぬ集中を始める。


視界がグッと狭まり、ハッキリ見えるのは目の前の人間のみ。

「……倒す!」


フッと妖精の姿が掻き消える。

否、消えてはいない。


人間の死角を高速で移動しているだけだ。

「縮地か!」


人間は少しだけ嬉しそうな声を出す。

まるで子供の成長を喜ぶ親の様に。


「フッ!!」

完全な不意打ち。


死角からの一撃が人間に吸い込まれる。

(勝った!!)


妖精が内心ガッツポーズを取った瞬間。

妖精の視界がブラックアウトした。






「詰めが甘いんだよチルノ。せっかく隙を与えたのに」

「うぐぐ……。黒い人はやっぱり人間じゃない…」


地面にねっころがる妖精、氷精チルノが悔しそうに呟く。

傍らに佇むのは黒いコートの少年。


名をキリトと言う。

「なぁ黒い人ー。黒い人はなんでそんなに強いのさ?」


「俺の名前はキリトだって何度言ったら解るんだ…。それに俺は強くない」



そう。俺は強くない。

自分を守るだけで精一杯のただの人間。


俺がこの『幻想郷』にやって来てから、今日で2週間が経とうとしていた――。