前置きは無しで行きましょう。

↓本編






発射5分前。

発射場所には静寂のみが漂っている。


霊:「はーい。そこの鳥頭ー」

姿勢は変えず、顔だけ動かし、声の方向を向くと霊夢が立っていた。


空:「敗れたか。止めに来たのか?これの発射を」


空が威嚇する様に問うと、霊夢は頭を振った。


霊:「なんでこうも血の気が多い奴ばっかりなのかしら・・・」

呆れたと言わんばかりに霊夢が投げて寄越したのは、河城にとりだった。


霊:「打ち上げするのに、ヒーローが居ないでどうするのよ」

霊夢がそんな事を言う。


空:「・・・・・・待て。話が見えないんだが」

空がため息混じりに言うと、霊夢が渋々語り出した。


霊:「私は最初から止める気なんて無かったわ。ただ紫が面白いって言うから悪役に回っただけ」


そしてこう続けた。

霊:「当初、紫の隙間を使ってそっちの黒猫を戻すつもりだった。けどにとりが必死だったから紫が作戦変更した」

紫は上空で黒猫の世界行きの隙間を空けて待機してるし、と霊夢は言う。


空:「・・・お前らって奴らは」

呆れた風に声を荒げる空。


霊:「そろそろ発射ね。私帰るわ」

そそくさと退散する霊夢。


逃げ足も早い巫女であった。








空:「・・・ろ!起きろって!」

にとりは空の声で目を覚ました。


に:「あれ・・・。私まけて・・・」


空:「そんな事より、もう打ち上げるぞ。何か言わないのか」

空に言われて、にとりはロケットに近付いた。


に:「チェン」

チェン:『はい』


短い沈黙。

その沈黙が二人の会話だったのかもしれない。


に:「元気でな!!」

チェン:『そっちこそ!!』






その後無事打ち上げられたロケットは紫の隙間を通り、元の世界へ到着したらしい。


空から事情を聞いたにとりは霊夢に文句を言いに行ったそうだ。

そのほとんどが流されているのは言うまでもないが。


かくして、異世界のチェンと河城にとりの奇妙な冒険は幕を閉じたのであった。