外はすっかり暗くなった。


人通りも少ない。

私は一軒の家の前で待っていた。


多分そろそろ来るはずだ。

「あれ?」


不意に暗闇から声がした。

私はそれに合わせて後ろを向く。


「お帰り。岡崎ちゃん」


私はいつかぶりに友達の名を呼んだ。

現代に残る一人の親友の名を。








「早苗?早苗なの?」

「そうだよ。岡崎ちゃん」


私の声を聞くなり本名で呼ぶ辺り、全然変わって無い。

「早苗・・・。貴女二年も何処に行ってたのよ!」


「あははは・・・。ゴメン」


「全く・・・」

岡崎は不機嫌そうに腕を組んだ。


早苗は懐かしい記憶を思い出したが、目的達成の方が先だ。


「誕生日おめでとう。岡崎ちゃん」

「・・・え?覚えてたの?」


「あははは・・・。実は教えてくれた人が居てね」

苦笑いで早苗はちっちゃい人形を思い浮かべた。


「もうっ!早苗は早苗のままね」

「あははは・・・」


懐かしい会話。

自分の友達が私を覚えてくれて居た。

そうだけで私に残りは無い。


「さてと。私・・・行かなきゃ」

「え?」


驚き顔の彼女に私は小さく告げる。


「私、帰って来たんじゃ無くて一時的に戻っただけだから。もう・・・行かなきゃ」

強く握る拳が私の涙を止めてくれる。

私は再び彼女に背を向けて歩きだす。


「もう良いのか?」


数メートル歩いただけの所に例の人形が立っていた。

「えぇ。帰ります」


「そうかい。ただし最後に後ろを向きな」


私は言われるまま後ろを向いた。




「早苗ぇぇええーー!!」



大声を張り上げる親友の姿。

それを見て私の視界はぐちゃぐちゃになった。


せっかく堪えた涙が台なしだ。


「元気でね」


大きくないはずの言葉がやけに近く聞こえた。



―そして暗転









「本当に良かったのか?」

「ええ。私にはお世話しなきゃいけない神様が居ますから」


「はっ。違いねぇ」


「それに・・・」

「ん?」


「私達は親友ですから」


そう言った早苗に優しい風が吹いた。








     完





うへぇ・・・。

重い話になったなこれ。

相変わらず展開早いし。


岡崎(笑)だったので自分満足。


神様人形の中身は作者なので悪しからず。

それではまた次回~。