毎日上げるのは至難の技です










夕暮れ時の音色は静かに校内に響いて行った。








「高村 響・・・か」
一人の声が無人の校内に落ちる。


声の主、笹本 薫は紫煙を吐いて言う。


「高村。お前は奴と仲良くなってはいけない。何故なら・・・」

一旦言葉を切り、大きくタバコを吸い込み吐き捨てる。


「奴とお前は、お前の望む関係には成れない」

ビー!!と煙探知機に反応されながら、担任はふらふら校内に消えた。










「そろそろ時間じゃないか?」

ピアノに聴き入って居た俺はそう呟いた。


見れば夕暮れもすっかり傾き、時間も結構な時間になっていた。

「あぁ・・・。そうね・・・」


桜の表情が曇る。


「明日もここに居るのか?」

「・・・え?」


桜が驚いた声を漏らす。


俺だって驚いたさ。


俺がこんな事言うなんてな。

「また明日も来るからさ」


「・・・っ!」

案の定、桜は顔を背けてしまう。


(しくじったかなぁ・・・。あー。くそ!)

響は頭をぶっきらぼうに掻きむしり鞄を掴んだ。


「じゃあな桜さん」

扉をでて背中越しに挨拶を投げる。


返って来ないだろうけどな。


「明日も!!」

待っていた挨拶に代わって別の言葉が飛んで来た。

「明日も・・・待ってるから」


俺は右手だけで返した。

真っ赤な顔を見せる訳に行かなかったからな。









翌日。


「・・・何でお前がここに居る」


「あら。私がここに居ちゃいけない理由でもあるのかしら?」


「あのなぁ・・・っ!」

俺は友紀と教室に居た。


昨日と同じくやって来た所、待ち伏せされた訳だ。

「それで貴方。水やりも疎かに何処に行く気?」


「っく!」

そう。俺は桜に早く会うために水を適当なやり方をして、教室を出ようとした所で捕まったのだ。


「答えられないのかしら?」


「・・・・・・」


俺の口はうんともすんとも言わない。

昨日の借りがある手前、下手な事は言えないからな。


「言えないなら良いわ。でも行かせるには条件があるの」

「条件だぁ?」


「私を見て変わった所を見付けなさい」


「・・・はぁ?」








次回更新に続く