頑張って書こう。










「それで?何で貴方がここに居るの?」


「暑いし、暇だから涼みに来た」

怒る友紀を適当に流し、俺はクーラーの当たる場所を探す。


俺の母校は何故だか知らないが設備が良い。

図書館にはクーラー完備、職員室には最新型PC、パソコン室もまた叱り。

(教室棟を何とかしろよ・・・)


さっき行って来た通り、教室棟は設備がない。

全く不思議な学校だ。


「図書館は休憩所では無いのよ?」


「分かった分かった。本を読みに来たって事にするよ」

「貴方ねぇ・・・!」


「お前に会いに来た。顔が見たくてな」

「・・・っ!」


顔を背けた友紀の後ろで響はため息を吐いた。

(危ない危ない。切れる所だったな・・・)

まさかの無自覚で友紀を口説いた響。


一方の友紀は真っ赤のまま、ゆっくり貸し出しカウンターに戻って行った。


実を言えばいつもこんな感じなので、当たり前の光景と言えばそうなる。

「ふぁああ~・・・」

大きな欠伸をすると響は机に身体を預けて、夢へと漕ぎ出した。









「んがっ!」


静まり返った図書館内で奇声を放ったのは響。


眠たげに頭を上げると窓から射す光が紅く変わっていた。

「やっべ!!窓閉めなきゃ!」


教室までの窓を開けたままなのを思い出し、立ち上がった響の頭からハラリ。と紙が落ちた。


『窓は閉めた。帰る時は図書館の鍵を閉めなさい。筒井』


そんな内容の紙を響は苦笑しながら、読み上げた。

「友紀・・・。優しい奴だな」


一人で呟き、響は図書館を後にした。









時刻は夕方5:00。

ほとんどの生徒が帰った後なので、学校内には静けさだけが残っている。


「補習もとっくに終わってるな・・・・。寝過ぎたか?」

独り言を呟きながら一階の階段に差し掛かった時だった。


『~~♪~~♭』

何処からかピアノの音が聞こえて来た。


「第九か・・・」

ピアノの音色は強く、そして美しくベートーベン交響曲第九番を奏でていた。


俺は導かれる様に歩きだし、そして一つの部屋の前で止まった。


『第4音楽室』

そう書かれた部屋からピアノは聞こえてくる。


俺は音に惹かれ、扉を開けた。


そして彼女との出会いを果たす事となる。







第一楽章