うにゃー。








靴を履き変えると、菜摘は補習室に向かって行った。

(昔は真面目な幼なじみだったのにな・・・)


菜摘は数年前まで至って真面目な少女だった。

しかし時は恐ろしい物で、あいつはぐれた。


口調もDQN臭くなり、格好はギャル化。成績もガクンと落ちた。


「俺は真面目な菜摘が好きだったぜ・・・」

跳びはねるように走って行く幼なじみの姿を俺は生暖かい目で見送った。









生徒昇降口から廊下を経て、階段を2階分上がる。

「うわ・・・」


一年教室のある3Fは次元が違う暑さになっていた。

陽炎見えるしな。


とりあえず自分のクラス、1-Fに向かう廊下の窓を開けて行く。


「夏・・・か」

思わず呟いた言葉に反応する者が一人。


「高村の分際で憂いを嘆くか」

「・・・友紀。何でそこに居る」


俺の目の前にはいつの間にか、クラスメートである筒井 友紀が立っていた。


ゴスロリファッションで。

「私は知識の泉の番人。理由はそれだけ」


「あーはいはい。図書館の当番なんだな」

「・・・貴方何で解るのよ」


友紀はこういう奴だ。


暑い中ゴスロリファッションに身を包み、意味不明な単語で人との距離を空ける。


そんな友紀を見ていたら、いつの間にか話し相手になっていた訳。

「ったく。俺の周りは変態ばっかりかよ・・・」


「誰が変態よ」


むすっ。とした友紀の頭に手を置いて優しく撫でる。

「別に悪いなんて言って無いだろう?むしろこれじゃなきゃ友紀じゃないしな」


顔を紅くして俯く友紀。


響の目が笑って居ない事に気付かない哀れな電波少女だった。








電波少女を華麗にスルーし、教室にたどり着いた俺はまたしても地獄を見た。


「・・・・・・」


「・・・・・・」

ついでに教卓で死んで居る担任を見た。


俺は短くため息を付いた。

正直面倒だ。


「何してるんですか・・・?」

「・・・グゥ」


「寝てんのかよ!!」

驚いた事に担任は無駄に暑い教室で寝ていた。


「ったく・・・」


起こさない様に植物に水をやってから、担任の所に飲み物を置いて教室をでた。


1分後。


「なるほど。やってるじゃあ無いか」

教卓に腰掛けて飲み物を飲む担任が居たのを響は知らない。







次回更新に続く