走りたくなる最後・・・。
抑えろ・・・。













司は俺の顔を上げさせると、冷たく言い放つ。

「今君の出来る事は二つ。その寿命を削って彼女達を助けるか。それともここでじっとして彼女達が死ぬのを待ってるかだ」


司の言葉が俺の思考を削り取る。

「行け。考えるのはそれからだ」


「・・・っち」

促される様に部屋を飛び出す。


シン。と静まり返った部屋の中で司は静かに謝った。

「済まない氷山健・・・。僕には結末を付けられない。
だから・・・頼んだぞ」













ドパァン!!と川が爆発した。


「・・・・・・」

アリスは声に成らない声を上げていた。


ショッピングモールで出会った男は、自分を死にかけに追い込んだ張本人だった。


瞬間的に空間飛躍で川まで飛んだはずだった。

しかし、この男は追って来た。


「ふぅ~ん。君結構凄い魔法使うんだね。関心関心」

一人で頷く男。


空間飛躍魔法は演算が非常に大変で、たった一人で発動するには範囲が限定される。


ショッピングモールから川まで500メートル。

それがアリスの限界だった。

「さて、この前は殺しそびれたけど今日は逃がさないよぉ」


目の前の男が手の平を上に向ける。

キュボ!と野球ボール大の炎球が出現する。

まずい。とアリスは身構えた。


さっきは間一髪避けて、川が吹っ飛んだがもろに喰らえば爆死コースまっしぐらだ。

「それじゃあバイバイ~」

友人に別れを告げる様な感じで男が腕を振る。


その動きに伴って炎球が人間の認識速度を上回るスピードで発射される。

「・・・っ!!」


動きに合わせ、真横に飛んだアリスに向かって炎球は飛んできた。


(あぁ・・・。私死ぬのかしら)

心の中で走馬灯を見はじめたアリスに幸運が訪れる。

「はぁぁぁあああアアア!」

雄叫びを上げてニーナが真横から炎球にドロップキックをかましたのだ。

進行方向を無理に変えた炎球は住宅街に飛んで行く。


「・・・二刀流。剣の舞」

その先には苦無を二刀に持った音無。


炎球が音無を襲う。
かの様に見えた。


しかし炎球は音無をすり抜け、空中で霧散したのだった。


一連の事態を男は無表情で見守っていた。


しかしアリスの幸運はまだ尽きて居なかった。

「ああ・・・。考えるの面倒になった」

健が・・・来た。