爽やかさ120%越えの笑顔に華ちゃんの顔は見る見る真っ赤になって行く。

と同時に終了のチャイムが鳴った。

口をパクパクさせたまま華ちゃんは走り去って行った。

「ふぅ・・・。やっと終わったかって・・・え?」

後ろにはニッコリ顔の男子全員。

「「「氷山!!お前だけは葬り去る!!」」」

「ま、待て!意味がわかグベァ!!」

反論をする間もなく男子の波に飲まれる健。

「何でてめぇだけ先生とイチャイチャ出来んだよ!」
「代われ!俺に代われ!」
「何となくうざいから殴らせろ!」

非っ常に自分勝手な意見にもみくちゃにされながら、健は自分の不幸を嘆いた。


さて理不尽な報復の後は昼休みである。

家族の居ない健が弁当を作るはずも無く、従って毎日購買部で買っている訳だ。

「生徒の味方って言ってる割に財布の敵だよな・・・」

購買部特製パンはどれも300円を越えるパンばかり。

しかし販売開始から10分で完売するから不思議な物だ。

「ありがとうございましたぁ~♪」

購買部の女の子に代金を渡し、屋上へ向かった。


どうして屋上なのか?と聞くかも知れないが、それには2つ訳がある。


ギギッ!と重い扉を押し開け、広い屋上へ出る。

一つは空が見えるから。

もう一つは・・・。

「今日も来ましたね。毎日律儀な奴です」

こいつだ・・・。

音無楓。俺のクラスの知られざるクラスメイトであり、俺の昼飯を毎日半分持って行く迷惑な奴でもあるのだ。

「半分」

淡泊な言葉と共に白い手が出される。
         「ほれ。これはお前の分な」
そう言って差し出された手に丸々一つパンを乗っけてやった。

いつも半分持って行かれるとお腹が空く。

だから今日はこいつの分を買って来ていた。



次回更新に続く