主夫のコラム〜家事と育児とときどき手品〜 -8ページ目

主夫のコラム〜家事と育児とときどき手品〜

主なしごと
・主夫
・くじら保育園園長
・NPO法人ファザーリング・ジャパン関西副理事長


座右の銘
「笑ろてるパパがええやん!」
「いきあたりバッチリ」
「無限多様性の調和」

フェイスブックnoriaki.wada
ツイッターnontapapa

僕は長女が産まれるまで、乳児の世話をしたことはない。
パパママに関わらずほとんどの親がそうだ。

でも多くのママはいやでも赤ちゃんの世話をする。
授乳以外にも乳児の世話の主担をするのはママが多い。

パパはともすれば一切乳児の世話に関わらずに、気づいたら幼児・児童・思春期から大人になっている我が子に気づく。

先走りしすぎた。
長女が産まれた直後に戻る。

長女が産まれた直後、まだ僕はテレビの仕事をしていた。
夜中に帰ると赤ちゃんが夜泣きをしていて、産休中の妻が授乳をしている。

妻は僕の顔を見ると、授乳が終わった赤ちゃんを「はい」って僕にわたして、自分は背中を向けてぐーぐー。

赤ちゃんはそのまま寝てくれることもあれば、ぐずり出すこともあり…

ある夜、何をしても夜泣きが止まらない長女をだっこしたまま朝日を見た。
そのときにパパスイッチが入った。

妻がとにかく僕と赤ちゃんをくっつける時間をたくさんくれたこと。
僕がパパになれたのはそのせい。



保育園に通いはじめた当初、送迎時に出会うママ・パパたちに挨拶をした。

「今日からこのクラスでお世話になります和田です」
「先週からお世話になってます和田です」
「先月から通ってます和田です」

保育園の送迎時間はばらばらなので、とりあえず出会えた人にかたっぱしから。
同じクラスの保護者にはまず挨拶すべきだと思っていたし、大人との会話に飢えていたというのもあったかもしれない。

乳児のママパパは忙しい。そして初対面。ほとんどが
「ああそうなんですね。よろしくおねがいします」
という程度のファーストコンタクト。

その中でひとりのママに挨拶をしたとき、
「ウチも先月から通ってるんです。引っ越したばっかりで。
この近くの小児科、どこに通ってはります?」
と、質問してくださった。

「ウチは○○クリニックです。男の先生、はっきりしてていいですよ」

情報を提供して役に立てたことが嬉しかった。

そのママの子どもウチの子も第一子で長女。
同じ月齢で、同じくらいの身体の大きさ。

その子は色黒。長女は色白。
保育園でずっといいコンビだった。
こっそり「オセロ」と呼んでいた。
長女が1歳のとき、保育園の同じクラスの男の子に忘れ物の帽子を届けた。

渡すとき、僕の頭に帽子を乗せておじきをしながら「こんにちは」とおじぎ。
男の子の膝に落とした。

男の子はキャッキャと笑ってくれた。ウケて気をよくした僕は、再び帽子を頭に乗せて「こんにちは」

男の子はまたキャッキャ。
以下繰り返し。

何かを頭にのせて挨拶といっしょに落とす。
僕の鉄板ネタになった。

この繰り返しあそび、保育士の鉄板ネタでもあると聞いたのはずっと後のこと。

子どもは自分が予想したことが予想したとおりに起こることが好き。
安定・安心できるから。

小さい帽子を大きい大人の帽子を頭に乗せる。
子どもは「落ちるかも」と思う。
大人が「こんにちは」と頭を下げる。
子どもの予想通り帽子が落ちる。
予想通りのことが起こって子どもはよろこぶ。
また帽子を頭に乗せる。
以下繰り返し。
子どもは自分を安心・安定させてくれる人をどんどん好きになる。

子どもが喜ぶことを繰り返す。
子どもと仲良くなる方法のひとつ。


公共の男子トイレのおむつ替えシート、長女が産まれた2003年にはあったりなかったり。

あっても後付けっぽく、既製品のベッドが置いてあることが多かった。

長女の誕生月にオープンした近所のショッピングモールある。
その男子トイレには最初から作り付けのおむつ替ええシートが設置されていた。
個室にも赤ちゃんを座らせる作り付けのシートがあった。

とっても嬉しかった。

長女をスリングでだっこして買い物に行ったそのショッピングモールは、オープン直後で混みあっていた。

レジに並んでいる妻を長女だっこ待っていたら、見知らぬおばさんにたしなめられた。

「そんな赤ちゃん連れてこんな人混みにきちゃダメでしょ」

たしかにそうかも…と思い、ちょっとしょぼーんとした。

乳児の親はナイーブである。特にひとりめの親は。
僕が専業主夫をしていた5ヶ月間、長女は生後6ヶ月から11ヶ月。

親を認識して後追いをはじめる時期だった。

長女の後追い、すんごく覚えている。
少しでも僕の姿が見えなくなると泣くので、気が休まらない。

ほっとできるのは長女が寝ている短い時間だけ。

乳児の「ママ」たちがいちばん欲しいもの、
それは「独りの時間」だ。

独りでごはん、独りで寝る、独りでお風呂、独りでお出かけ、そして、観客のいないトイレ。

僕もトイレは大小にかかわらず扉をあけて、長女を前の廊下、僕が見える位置に座らせて、長女と向かい合って座って用を足していた。

思い出したらちょっと笑える。