主夫のコラム〜家事と育児とときどき手品〜 -4ページ目

主夫のコラム〜家事と育児とときどき手品〜

主なしごと
・主夫
・くじら保育園園長
・NPO法人ファザーリング・ジャパン関西副理事長


座右の銘
「笑ろてるパパがええやん!」
「いきあたりバッチリ」
「無限多様性の調和」

フェイスブックnoriaki.wada
ツイッターnontapapa

タツノオトシゴはメスがオスのお腹の袋の中に産卵する。

卵はオスのお腹で成長し、オスのお腹は妊娠したようにパンパンになる。

産卵から2ヶ月後、まるで出産のようにオスのお腹から赤ちゃんが誕生する。

 

人間の男が子育ての中で唯一できないこと、それは出産。

男ができることといえば、せいぜい妊婦体験でお腹に重りを装着すること。

そして出産する妻を応援すること。

自分で出産できるタツノオトシゴのオスが羨ましい。

 

男女の役割っていろいろあるけれど、そのなかに母性父性というものもある。

女性=母性、男性=父性ではない。

すべての人が両方を持っている。

 

ウチの場合は妻のほうが父性が強いと感じているし、シングルの親は自分で母性父性を使い分けて子育てをされていると聞く。

でも両方のバランスが必要であることは間違いないし、一般に男性のほうが父性の役割を担う場面が多い。

 

母性はやさしく包み込む。

父性はやさしく突き放す。

 

という表現がある。

個人的にはすんごく腑に落ちる。

この絵本の中にも、とてもわかりやすい父性の表現がある。

 

いっぴきの あかちゃんが くるりと もどってきて

とうさんの ポケットに はいろうとしました

「だめ、だめ。とうさんは きみが だいすきだけど、

 きみは もう、りっぱな タツノオトシゴなんだ。」

 


※とうさんはタツノオトシゴ エリック・カール さのようこ 偕成社

 

ーーー

スマホで読めます↓

主夫業のススメ: 家族のカタチを柔軟にするコラム55

 

 

育児休業をとったらほんまに休めると思ってる男性がいるらしい。

 

休業=休むこと、ではない。

休業とは『業務を』休むことを意味する。

育児休業とは『育児のために』業務を休むこと。

 

女性が育児休業中にどんな生活をしているか、ちょっと想像力を働かせればわかる。

女性の育児休業も男性の育児休業も目的は同じ。

休めるわけがない。

 

育児休業の内実を知らない男性が多い。

だからいろんな言い換え方が提案されている。

育児研修・育児修行・家庭出張…などなど。

 

僕が提案するのは『家庭転勤』。

海外に転勤することを海外転勤という。

ある期間完全に日本を離れて彼の地での事業に身を捧げること。

家庭転勤も同じ。

会社からいっとき完全に離れて家庭での事業に身を捧げること。

 

現地にすっかり染まった先輩は、出産で人が変わった妻。

言葉や常識の通じない現地の住人は、言葉や常識の通じない赤ちゃん。

 

それらとコミュニケーションを図りながら、育児・家事・各種手続き、など多岐に渡る業務をマスターするには一定の期間が必要。

 

数日間の転勤なんてない。

女性の産休+育休と同じく1年くらいはいないと転勤とは言えない。

 

説明: Macintosh HD:Users:wadanoriaki:Desktop:51HoM5jYgZL._SX347_BO1,204,203,200_.jpg

※経産省の山田課長補佐、ただいま育休中 山田正人 文藝春秋

 

ーーー

スマホで読めます↓

主夫業のススメ: 家族のカタチを柔軟にするコラム55

 

 

 

僕が小学生の頃、プロレスは超メジャーだった。

タイガーマスクやミル・マスカラスなど、国内外のマスクマンが子どものリアルヒーローだった時代。

小学校低学年のころはゴールデンタイムのテレビでプロレスを観ていた。

 

小学校中学年になったら、プロレス番組は減ったけど、キン肉マンが始まった。

プロレスごっこもやっていた。

本物のプロレス→キン肉マンの流れで、実際の技から架空の技まで、友達と技をかけあった。

僕は弱かったので、よく泣かされていた。

父親とも数少ないけど、プロレスごっこをやってもらった記憶がある。

 

そんなプロレスが今またブーム。

テレビのゴールデンタイムではやってないけど、プロレス専門チャンネルの視聴者は増えてる。

ファンもネットやリアルでつながってかつてない形の盛り上がりをしているそうだ。

 

でも、プロレスごっこはやってるんだろうか。

双方ともプロレスというものをよく知っていないと、プロレスごっこはできない。

子ども同士は難しそう。子どもがプロレスを目にする機会ってすんごく限られいるから。

父親がプロレス好きで、子どもも日常からプロレスを見ている家庭じゃないとプロレスリテラシーは身につかない。

 

お父さんとプロレスを見られる子どもは幸せ。

お父さんにバックドロップをかけてもらえる子どもは幸せ。

 

何と言っても一番幸せなのは、子どもにバックドロップをかけてもらえる父親。

子が親を超えた瞬間。

 

※お父さんのバックドロップ 中島らも 集英社

 

ーーー

スマホで読めます↓

主夫業のススメ: 家族のカタチを柔軟にするコラム55

 

 

 

主夫になるということは2つの流れに逆らうことだ。

 

1つ目は男の本能。

戦って勝ちたい。人より稼ぎたい。見える成果をあげて尊敬されたい。

 

2つ目は世間の空気。

世間の空気は、男の本能に忠実な男性を認め、そこから逸れている男性がいれば戻そうとしたり排除したりする。

これは経済社会、男性社会に特に強い空気。

 

男の本能と世間の空気は影響し合っていて、その関係は強固だ。

主夫は、この2つに逆らっている…

ように世間からは見える。

 

戦場は職場だけではない。

稼ぐだけで家族が生活できるわけではない。

見える成果だけが成果ではない。

稼ぐ以外に尊敬される方法はある。

 

そこに気づいた主夫は別の形で男の本能を満足させながら生活ができる。

個人的にはこれで解決。

 

でも世間の空気ってやっかいだ。

「家族のために稼いで男の役割果たさなアカンやん!」

 

これに主夫はどう対応しているか。

逆らわず、合気道的にスルーしてるというのが現実だ。

いちいち空気に反応してたら自分の仕事ができないから。

 

主夫の妻は勇者である。

「夫に家事育児やらせてあなたは何をやってるの?」

この空気に逆らいながら、一般男性がしている家族のために稼ぐことを普通にやってる。

 

世間が主夫の生き方を認めるか、主夫家庭のカタチを認めるかどうかなんて、家族の幸せとは本来関係ないはず。

 

※主夫と生活 マイク・マグレディ 伊丹十三 学陽書房

 

ーーー

スマホで読めます↓

主夫業のススメ: 家族のカタチを柔軟にするコラム55

 

 

動物のオスと人間の父親とは何が違うのか。

哺乳類の中で子育てに関わるオスはごくごく少数派らしい。

チンパンジーのオスも、子育てはメスにまかせっぱなし。

 

動物の例を見て、

父親が子育てなんて不自然。子育ては母親の役割、それが自然なんやから。

なんて安心してはいけない。

 

「人間は本能の壊れた動物である」とは精神科医の岸田秀氏の言葉。

人間は本能だけではやっていけない複雑な社会を作った。

だから社会に合わせて個人の生き方を本能を超えて修正していかなくてはならない。

 

男は度胸、女は愛嬌

男子厨房に入らず

男は黙ってサッポロビール

 

これらに一定の魅力を感じることはある。

男性だけじゃなくて女性の中にもこんな男性に魅力を感じるかたは多い。

 

そして一般的に男性の得意な分野と女性の得意な分野はたしかにある。

でもそれだけで分けるのは乱暴すぎる。

個性は性差を超越する。

複雑な社会の中でやっていく方法の最適解は個人ごとに違うし、男女のペアごとに違うのだ。

 

時には本能に反する役割を担うこともある。

だから、とまどうし、しんどい。

でもそれを乗り越える知能や対話能力を持った事が、本能が壊れた理由でもあるんじゃないか。

 

もう自然には帰れない。だけど、

「本能を超えて成長できるって格好ええやん!」

と感じるのも男の本能。

 

※父親の進化 仕組んだ女と仕組まれた男 小原嘉明 講談社

 

ーーー

スマホで読めます↓

主夫業のススメ: 家族のカタチを柔軟にするコラム55