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主夫のコラム〜家事と育児とときどき手品〜

主なしごと
・主夫
・くじら保育園園長
・NPO法人ファザーリング・ジャパン関西副理事長


座右の銘
「笑ろてるパパがええやん!」
「いきあたりバッチリ」
「無限多様性の調和」

フェイスブックnoriaki.wada
ツイッターnontapapa

稼ぎは大事だ。異論はない。
でも「稼ぐ=エライ」と直結すると、ちょっと待てと言いたくなる。

明治以後の日本においては「稼ぐ=エライ」とされてきた。
男性が外で稼ぐ役割を担っている家庭においては、「稼ぐ=エライ」とたてておいたほうが、家庭が上手く回ったから。

方便・建前である。

でも富国強兵・所得倍増を目指してきたこの100年、方便が方便であることを忘れちゃったんじゃないか。
本気にしちゃってる男女が増えているんじゃないか?

言うまでもなく、男性が外で稼ぐ環境を作るには、家事育児・ご近所づきあいといった、女性が担ってきた役割も必須だ。

得点を稼ぐフォワードは、失点を防ぐディフェンダーよりもエライか?
料理が苦手な主夫の意見。
日本の家庭料理は立派すぎる。

和食・洋食・中華はもちろん、世界各国のバラエティー豊かな料理が毎晩食卓に並ぶ。
しかも何品も。

その多くは家庭の妻・母親という立場の女性が作ってる。
すごいぜ。日本の女性!

その結果、日本の「標準的」な家庭料理のハードルは高すぎることになってる。
多くの男性は手をこまねくか、そば打ちや本格スパイスカレーなどの「非・日常料理」に走る。

高いハードルを越えようとしない。これが僕が気楽に料理をするコツ。

ということで、家族に作るお気軽夕食のとっかかり。

おすすめは味噌汁から。
本だし入れて、適当な野菜を入れて、沸騰したら味噌をとく。
以上。
豚バラとゴボウと人参をいれたら豚汁になる。
だしと味噌の代わりにコンソメを入れればスープになる。

カレーとシチューはルーの箱に書いてある通りに作れば美味しくできる。

定番の肉じゃがはクックパッドで検索。
出てきたレシピのなかで、いちばん簡単そうなのを作ればいい。

もうひとつ、料理初心者へのオススメは「焼き魚」。
魚を焼くだけ。
タンパクやらカルシウムやらDHAやらの栄養満点らしい。
子どもの箸使いも上手くなる。

野菜不足が気になるなら味噌汁にいっぱい入れとく。
それで物足りなければキュウリ斜め切りか、キャベツざく切りか、ブロッコリーを茹でる。
色が気になったらプチトマトを。ハムを散らすのもいい。
これ五種盛ったりなんかしたらもう、立派なサラダ!
ドレッシングはお好みで。

これでウチの子どもたちは夕食に文句言わないし、今のところ健康です。
(妻は文句はいうけど健康です)

で、これすら面倒くさくなったら、レトルト・ほか弁・セルフうどん屋。
母がいい関わりをすると子どもがいい成長をする、というたぐい本は多い。
逆に、母子関係が子どもの発達を阻害する、といったたぐいの本もブームだ。

母頑張れ、もしくは、母がだめ。

どちらにせよ父親がいない。

夫婦で家族を営んでいる場合、母子という1対1の関係に父親が入るだけで、改善されることは多い。
母がだめ本の内容を読めば、父親の関わり不足が原因にあることにもふれている本がほとんど。

その点、母頑張れ本よりはマシだ。多くの母頑張れ本には父親は存在すらしていない。

だけど、母だめ本が並んでいる本屋の棚、背表紙のタイトルの羅列からだけでは、ひたすらダメな母親が増えているというメッセージしか受け取れない。
現実にそんなわけないでしょ!

そんな中で、母だめ本のベストセラー「母という病」の岡田尊司さんが、「父という病」を上梓された。

内容はまだ読んでないけど(オイ)2つのタイトルが並んでいるとバランスがいいと感じる。

世間が偏っているからこそ、バランスやカウンターは必要。
この主夫コラムはカウンターパンチのつもりで書いている。
「料理もお得意なんでしょ」

主夫やってるとよく買いかぶってくださる。
すべての主婦が料理が得意でないように、主夫も料理が得意とは限らない。

でも主婦よりも主夫のほうが料理が得意な確率が高いことはたしか。
男性として少数派な主夫を選択する動機として「妻よりも家事が得意」というのは大きなものだ。

でも僕は料理が苦手な主夫だ。
というか食べるものに興味がない。
最低限の栄養と味があればいいいと思ってる。

主夫を始めてからも5年間は料理がほとんどできなかった。

自分の性格以外にも理由があって、それは妻の言葉だ。
「料理くらいは私にやらせて。じゃないと私が家族にすることがなくなるから」

僕はその言葉に甘えて、料理はほとんど妻まかせにしていた。
妻が作れないときだけ、僕が作ってた。
長女が小さい間は、レトルト離乳食やアンパンマンカレーだった。

でも、長女が5歳になって、次女も産まれて、さすがにマズいと思うようになった。

同時に妻の仕事も忙しくなって、料理が作れない日が増えてきた。

で、味噌汁、カレー、肉じゃがから始めた。
ちょっとずつ出来るようになった。

今でも得意とは言わない。一食に最低限、野菜・肉、が一種類ずつ入っていればいいと思ってる。
ヘビーローテションは僕と次女の好物の唐揚げだ。

妻が作るときはもっとバリエーション豊富なものを食べさせてくれるし、学校給食は栄
養バランス満点だ。

今の時点で、僕の料理はこれでいいと思ってる。

先日、妻が言った。
「正直言っていい?あなたの料理、あんまり美味しくないのよね。だからこれからもできるだけ私が作るわ」

(ふ…夫婦間で空気読んでどうする)
「どんなにパパが協力的でも、けっきょくママにしかできないことが山ほどあって、それが毎日のほんの小さなことだったりするので、パパに言うほどのことでもないわけ」

ある企業CM内でのママのひとりごと。
共働きで家事育児と仕事の両立に葛藤しているママの姿が描かれている。

CM内に限らず、そしてワーキングママ・専業ママに限らず、こういった葛藤を自分の中に飲み込んでいるママはたくさんいる。
世間がまだまだ、ママが家事育児をすることが当然という空気だからだ。

世間の空気を無意識のうちに読んでしまい、ママは子育ての葛藤を飲み込む。

でも冒頭のつぶやき、「パパに言うほどでもないのよね」なんて言わずに、パパには「本当の本音」を言ってみればいいと思う。

本音はこんな感じのはず。
「どんなにパパが協力してくれてるつもりでも、結局ママしかやってないことがたくさんあって、それは毎日のほんの小さなことなんだけど、パパにはわかってほしい」

この本音を言えないのはその裏のこんな考え。
「がんばってくれてるパパにこんな本音を言ったら余計な気を使わせて悪い」

これは優しさともいえるし、水くさいとも言える。

その裏の裏はこんなあきらめ。
「だって言ったところでどうにもならないでしょ」

パパを本当の意味で頼れるパートナーだと考えていないのだ。

たしかに、パパはこれを聞かされてもすぐに解決はできない。困る。

もしかしたら受け止めきれずに喧嘩になるかもしれない。
だけど喧嘩がきっかけで小さな改善につながるかもしれない。

喧嘩覚悟での本音のぶつけ合いでしか改善できないことがある。
世間の空気との摩擦で生まれた葛藤は近しい関係で吐き出すしかない。

世間で全く空気を読まずに発言したら社会生活ができなくなる。
でもせめて夫婦間では、本音100パーセントとは言わなくても、本音80パーセントくらいの会話をしたい。

逆にパパも何かを抱えているはずなのだ。それをママに伝えればいい。
子育ての唯一無二のパートナーを信じて。

夫婦間で空気読んでどうする。