裁きの針は罪人を地の果てまで追い心臓を貫く。
奪われたものを取り返すために、相手の喉笛に噛みつき血を啜り、腹を掻っ捌いてやった。
それでもわたしの心臓がみつからない。
こいつはわたしの心臓を喰らったはずなのに。
消化されてしまったわたしの心臓。
仕方ないから。
すべてを取り返すために、そいつの全身をバリバリ喰らってやった。
唇の端から血を滴らせるわたしは、なぜか美しいと思えた。
泣いて諦めない、やってやられて相手を丸飲みする快感を得る。
わたしの心が激しく共鳴していることをあなたにだけは伝えたい。
力が指先から入って全身に隈なく流れ込む。
大地と空と海と砂と緑が覆う世界。
石ころひとつ無駄などない。
そこにあるものはすべて意味がある。
それが今わたしの体を駆け抜ける。
世界を創った大きな歴史とその背景がわたしの意識を一瞬奪った。
もう一度目を凝らすそこに新世界が広がる。