『VIDEOPHOBIA』 | 三匹の忠臣蔵

三匹の忠臣蔵

日々是好日。
お弁当ブログだった「お弁当にはたまご焼き」からリニューアル。
映画レビューを中心に、日々思いついたこと、感じたこと、趣味のことを書いてます。

ネットへの動画流出で人生を狂わされた女性が、自分自身を取り戻そうとする物語で、自分が誰なのかを、他人から決められてしまう怖さを描いてる。

バイトをしながら演技のワークショップに通う青山愛(廣田朋菜)は、偶然クラブで知り合った橋本宏(忍成修吾)と一夜限りの関係を持つ。

しかし、そのときの動画がネット上に流出していることを知る。
愛は橋本を訪ねるが、彼の居場所が分からず、役所に相談し、動画流出の被害者が集まるサークルに参加する。
そして顔を整形し、名前も変えて第二の人生を歩むことになる。

 

 


 

 

桃谷から環状線に乗って京橋で降りて、クラブの場所が難波なのに、外に出たら通天閣が見えて、ちんぷんかんぷんな展開。
舞台がなぜか、かつて猪飼野と呼ばれた生野で、主人公が在日韓国人ということで、「何、この設定?」と思ったが、観てるうちになんとなくつながっていった。

腕章に「生活...」と書いていたので恐らく役所だと思うが、愛は動画流出のことでそこへ相談に行く。
ここで、それまで「青山さん」と呼ばれていた彼女が、突然「朴(パク)さん」と呼ばれ、彼女は青山なのか朴なのか。
さらに相談員の女性には、あの画像が「本当にあなたなのか?」とも聞かれる。

 

住んでいる場所もゲストハウスのような感じがしたが、愛は家族と住んでいる設定なのか、ちょっと分かりにくい。
ただ、プライバシーがないのはよく分かる。

そして、日本になぜ来たのかを語るシーンもあり、最後は整形手術を受け、別人として生きていく。
この時に「新しい名前も考えておいてくださいね」と言われる。

被害者が集まるサークルでは、それぞれが自分の受けた被害について告白する。
リーダー(サヘル・ローズ)の唱和に続いて、全員が「あなたは悪くない、あなた自身は何も変わってない」と声をそろえて励ます。

これが、動画流出の被害者に向けた言葉であると同時に、「在日として生まれたのはあなたのせいじゃない」と言っているようにも聞こえる。

 

ネットへの動画流出による被害、在日韓国人としての名前の問題、そして顔を変えて名前も変えて別人として生きていく。
どれも自分では思うようにコントロールできないのはよく分かる。

それぞれの問題はつながっているようにも見えるが、映画の中では整理されていない気がする。
そこをあえて狙ったならいいけど、言いたいことが多すぎて、かえって伝わりにくくなっているというか、もう一押しが欲しかった。

モノクロの画面で作られていて、作者が映像表現に凝っているのは分かるだけに、そこはもったいない気がした。

あと、もっと細かいことを言うと、ハルモニやアボジのイントネーションが違う。あの年代で”ハル”とは発音はしないと思う。

 

 

 

『VIDEOPHOBIA』