メキシコで貧富の格差を訴えるデモが起き、鎮圧のために戒厳令が発布され、軍事政権が出来上がるという話。
街中で貧富の格差を訴えるデモが発生する。
結婚パーティーの最中に、元使用人が病気の妻の医療費を工面しにやってくる。周囲が冷たくあしらう中、マリアン(ナイアン・ゴンサレス・ノルビンド)は彼を助けようと、ドレスのままパーティーを抜け出して街へと出ていくが軍人の検問に遭遇し、そのまま誘拐されてしまう。
一方、マリアン宅にもデモ参加者が乱入し銃を撃ち放ち、大混乱となり数名が連れ去られる。
マリアンの兄ダニエル(ディエゴ・ボネータ)は彼女を救おうと身代金を使用人のマルタ(モニカ・デル・カルメン)と彼女の息子クリスチャン(フェルナンド・クアウトレ)に持たせるが、「これは手付金だ」と言われ、さらに金を要求される。
マルタとクリスチャンがこの事実を報告すると、ダニエルは二人を犯人と疑い、警察に通報する。
すると何故か軍によってマルタは処刑され、息子のクリスチャンはマリアン誘拐事件の犯人に仕立てられ、殺されてしまう。
という、超胸糞ストーリー。
はじめは社会派のデモかと思っていたら、物語が進むにつれて雰囲気が一変していく。
デモ参加者の暴動が始まってから、軍が戒厳令を敷き、マリアンの邸宅を占拠するまでのスピードが早すぎる。
そのため、「軍はデモが起きることを最初から把握しており、『治安維持』という大義名分で出動する準備をしていたのではないか」という疑いが、物語を追うごとに確信へと変わっていく。
このあたりは、韓国のユン・ソギョル前大統領による戒厳令騒動を思い出した。
危機を利用して権力を強めようとする構図は、現実でも映画でも同じなんやなと思った。
北に無人機を飛ばしたという出来事も、危機を演出し、それを大義名分として利用しようとしたのではないか、と思わせたし。
話を本作に戻すと、誘拐した人々を全裸にし、額に番号を書いて管理する場所には軍人らしき人物がおり、軍と誘拐犯が最初から繋がっていたことはミエミエ。
そしてラストで顔を覆われ、首を吊るシーンは、用済みになった者の処刑であり、証拠隠滅そのもの。
翻るメキシコ国旗が異様で、実際に起こった出来事なのかと思ったが、何かしらの警告なんやろうね。
