ブッシュ政権下で行われた、CIAによる拷問に関する調査報告書が公開されるまでを描いた作品で、爆発もどんでん返しもないから、雑に観ると地味で真面目な政治映画になってしまう。
アメリカ合衆国上院調査スタッフのダニエル・J・ジョーンズ(アダム・ドライヴァー)は、ダイアン・ファインスタイン上院議員(アネット・ベニング)に、CIAの尋問プログラムを調査するチームのリーダーに任命される。
こうして6人のチームが発足し、調査が始まる。
チームはCIA職員との接触を禁じられ、調査は難航するが、5年の歳月をかけて630万ページに及ぶ報告書を完成させる。
しかし、政治取引やCIAの妨害工作によって、その公開自体が危ぶまれる事態に陥っていく。
時代的には9.11直後のアメリカ。
「テロとの戦い」の名のもとに、やったもん勝ち感が漂うなか、ニュースで見たことのある写真や映像が差し込まれ、緊張感のある展開が続く。
物語は過去と現在を行き来しながら、事実を淡々と積み上げていく。
派手さはないが、そのぶん「何が行われ、どう隠蔽されていったのか」がじわじわと浮かび上がってくる構成がうまい。
とにかく、心理学者のジェームズ・ミッチェル(ダグラス・ホッジ)とブルース・ジェッセン(T・ライダー・スミス)がゴミで、拷問の効果を正当化するために、都合よく供述目標まで変えていく。
そこにCIAのメンツと保身が乗っかり、報告書を葬ろうとする流れが本当に醜い。
CIAの違法捜査や、公開作業の黒塗り弁当は、日本でもよく見る光景なので、どこの捜査機関もやることは似たり寄ったりで、エンドロールで流れるCIA関係者たちのその後の処遇も、日本の検察と重なって見えて、笑ってしまった。
