キム・ナムギルの存在はどうでもいい、やりきれなさを突き詰めた進化系韓国ノワール。
元反社のペ・ミンテ(ハ・ジョンウ)の弟、ペ・ソクテ(パク・チョンファン)が行方不明となり、やがて遺体で発見される。
同時にソクテの妻チャ・ムニョン(ユ・ダイン)も姿を消す。
ミンテは正体も分からぬ相手への復讐を誓い、ムニョンの足取りを追う。
カン・ホリョン(キム・ナムギル)が書いた小説がこの事件の顛末が似ていたことから、彼もミンテと同じく一緒にムニョンの足取りを追うが、この役どころをキム・ナムギルがやった意味がわからない。
明らかに力不足。
ストーリー的には救いようのないラストが待ってるが、ラストだけ切り取ると評価は変わってくると思う。
どうしようもない弟ソクテの仇討ちをするミンテは本能だけで動いてて、ここは幼い頃のエピソードを入れるなりすると、彼の行動にも何かしらの共感があったのではないかな。
組織から足を洗い、新たなる出発を壊されたという、ミンテの無限の怒りは機動力としては薄い。
彼の怒りは分かるが、感情の裏付けが足らんと思う。
韓国ノワール特有の「怒り=燃料」。
しかし「燃料はあるが、点火装置が弱い」というのが感想というか、物足りなさを感じる。
だから復讐の物語というより、壊れた男が壊れたまま走り続ける物語になってる。
ミンテがムニョンを追う先々で出会う人すべてが「何かある感」を醸し出していて、この”何か”がラストで明らかになる。
ミンテと行動をともにして真相を追う、チャンモ派組員でミンテの元部下ピョンギュ(イム・ソンジェ)の行動の切り替えが、理不尽さを浮き彫りにしてる。
復讐ミエミエのミンテの先回りをしようとする警察役のホ・ソンテとソ・ヒョヌ、黒幕のチョン・マンシクなど主役級はもちろん、チャ・ミギョンやチャ・レヒョンの脇役陣の演技も良かった。
