戦争責任を問うたシリーズ最終章『陸軍中野学校 開戦前夜』 | 三匹の忠臣蔵

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日米の交渉が決裂し、各国のスパイたちが激しい諜報戦を繰り広げていた開戦前夜の攻防を描く、陸軍中野学校シリーズ最終章。
椎名次郎(市川雷蔵)は敵国情報機関の秘密文書に書かれた情報を盗み出すが、何者かに薬を盛られて誘拐されてしまう。

その後、御前会議の内容が敵国に漏れていたことが発覚し、陸軍中野学校オールスターで、御前会議に紛れ込んでいたスパイの洗い出しと一掃を図る。前会議に紛れ込んでいたスパイの洗い出しスパイの一掃を計る。

シリーズを通じて描かれてきた軍部の暴走は、結局、対米開戦へとつながっていく。
ラスト、椎名は小山田海軍大佐(内田稔)に対して「軍事機密を盗聴されていることは知っていたのではないか」と問いかけるが、返事はない。

結局この作品は、この戦争は軍部が望んで始めた戦争だった、ということを言いたかったんやろう。
そして椎名の「次の任務は知る由もなかった」というセリフは、まさかこの戦争が、あれほど悲惨な結末を迎えるとは誰も思っていなかった。

しかし実際には、机上演習の結果から軍部はその行き着く先を理解していながら、止まらなかった。
そう考えると、陸軍中野学校の存在意義とは何だったのか、という意味も。

 


 

 

当時は陸軍中野学校だけがスパイではなく、むしろ財閥なども積極的に諜報活動を行っていた。
高校生の頃に読んでいた日経新聞「私の履歴書」に、三井物産の社長や会長を歴任した八尋俊邦さんが「日露戦争は我々の力がなければ勝てなかった」と社内で武勇伝のように語られていた、と書いていたのを覚えてる。

三井物産は総力を挙げて諜報活動や物資の買い占めを行い、海軍の出鼻をくじいたとも。
だからこそ、マッカーサー率いる進駐軍が「天皇・物産・陸軍」の解体を掲げた際、真っ先に解体されたのだ、とも書かれていた。

このあたりは、日活がロマンポルノ路線へ転換するきっかけになった『戦争と人間』でも詳しく描かれてる。
そして、これが後のODAへとつながり、海外援助の名の下に公金を日本企業へ還流させるモデルになった。

日韓経済援助も同様で、支援内容は相手国の要望ではなく、日本企業の都合で決められたため、韓国側のメリットはほとんどなかった。
むしろ割高に売りつけ、バックマージンをキックバックとして受け取り、その資金でアメリカ議会へのロビー活動を行っていた。
これは共産党が「黒い霧事件」として国会でも取り上げていた。

このスキームは他の相手国も知ってるので、元気いっぱい感謝されることはまずない。
日本では、特に民主主義の右側にいる人らは事あるごとに「感謝しろ!」「ODAを止めろ!」と言うが、特に中国はそうで、中国からすると「どうぞご勝手に」になり、日本企業が金づるを失って終わっただけ、という結果になっている。

 

 

 

陸軍中野学校 開戦前夜 ポスター