隣人問題と都市開発、カルト宗教などの社会問題をまとめて描いたサスペンス・スリラー。
原題は「ウォンジョンヴィラ」。
タイトルもそうだが伝えたいことがシンプルでいいけど、シンプルすぎて映画としたは「どうか?」という作りになってる。
新都市開発が進む地域にあるウォンジョンヴィラ(共同住宅)。
ここに母ヨンソン(ソン・ビョンスク)と姪チェ・イェジ(コ・ジュニ)と暮らしてるチェ・ジュヒョン(イ・ヒョヌ)は、銀行警備員の仕事をしながら公認仲介士の受験勉強をしてる真面目な青年。
ある日、上の階 の女性クォン・シネ(ムン・ジョンヒ)と、駐車問題がきっかけで層間騒音でも揉めることになる。
このシネがカルト宗教の信者で、彼女は信者獲得のために共同住宅の住人すべてを取り込んでいくが、ジュヒョンだけが取り込めない。
そこでシネはジュヒョンの母ヨンソンを取り込む事を考え、これを阻止しようとするジュヒョンとの攻防に発展する。
他に伏線もなくストーリーはこれだけ。
逆に、この潔さがカルト宗教の恐ろしさをストレートに描写してる。
日本でもオウム真理教や統一教会のことがあるので、他人事ではない。
カルト宗教の行き着く先というか、目的も万国共通みたいになっていて、宗教は人を救うと言ってるが、地獄のサタンの何次第の現実は変わりない。
ラストを見ると納得だが、薬剤師のチョン・ユジン(パン・ミナ)が猪突すぎて、何かしら伏線があっても良かったのではないかな。
クォン・シネ役を演じてるムン・ジョンヒがメイクからして異なり、この人は狂気と平常の境界線をやらしたら上手い。
なんか独特のやらしさと言うか、ねっとりした奥深さがある。
