歪曲し、捏造したラスト『ザ・ゲーム』 | 三匹の忠臣蔵

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たった一度の賭けで全てが変わってしまう金融財閥会長と貧しい路上画家が、脳移植によって人生を交換するサスペンス・スリラー。
韓国映画おなじみの究極の“魂入れ替わり”を物理的に描いた、入れ替わりコンテンツの新田たつお原作の作品。


貧しい路上画家ミン・ヒド(シン・ハギュン)は、ある日、金融界のドン カン・ノシク(ピョン・ヒボン)から一生一代の賭けの提案を受けて、受け入れ、目覚めると体が自分のものではなかった。騙されたですむか?
一方、ノシクは元気な体まで持つようになる。

ヒドはノシクの元夫人イ・ヘリン(イ・ヘヨン)と叔父ミン・テソク(ソン・ヒョンジュ)の協力を得て、リベンジのための新たな賭けに挑むが、計画は筒抜けで、二人はノシクによって殺されてしまう。

さらにノシクはヒドのガールフレンドのチュ・ウナ(イ・ウンソン)を手に入れたく、さらなる賭けを仕掛ける。

手術後ノシクの「やつ(ヒド)は死にゆく老体を着てる」というセリフが生々しい。
一方、若いヒドが「ハラボジ」と言われるの、「お兄さん」「おっちゃん」「おじさん」を経験をした者からすると、既視感しかない。

よく自分を変えるなら、まず「服」から、「外見変化」というが、若い体を取り戻したら「それか?」って男ってどうしようもない。
服装や外見で人生が変わる、見た目を変えれば自分も変わるというが、ノシクには関係ない。

ヘリンとテソクがヒドのリベンジに加担する道を選ぶが、それぞれに思惑があり、この展開は予想できたものの、結局殺されてしまう。
これにより、ヒドにとって身近な人間が消え、ラストに期待がかかるが、救いのない終わり方。

原作漫画では、記憶を部分的に移植することは不可能なのでノシクが、ヒドに体を返し、医者にも自由を与えた。
そして、カン・ノシクは忠実な秘書が実は自分の息子だったと知り、感動の涙を流しながら死ぬという結末だったが、映画はこの要素を大きく改変した。

NHKドラマ「シミュレーション~昭和16年夏の敗戦~」の歴史を歪曲(わいきょく)し、捏造(ねつぞう)したという問題が紙面を賑わす昨今、この終わり方はどうなんだろう?というか、これが映画ではないかな。