城壁に囲まれた村にやってきた少年が、村で孤立した少女と出会い、「よそ者」と「村八分」が助け合って、社会的な壁や偏見と戦う、静かなドラマ。
チョ・ジェミン監督が、韓国芸術総合学校の卒業作品として執筆したシナリオを基に制作した初の長編作品で、パク・ジニョン初主演作としても彼の俳優キャリアの出発点となった記念作。
監督の記事を読むと、ヤギは「迷い」「危険」「救済の必要性」の象徴として使われており、英語タイトルの「A Stray Goat(迷子のヤギ)」にも納得できる。
高校生のミンシク(パク・ジニョン)は両親に連れられ、父チョ・ヒョノ(シン・アンジン)の故郷である高城にやってくる。
この町でミンシクは、過酷な境遇で孤立している少女ヤン・イェジュ(チウ)と出会う。
彼女は「殺人者の娘」というレッテルを貼られ、村八分にされている。
ミンシクもよそ者として気を使いながら学校生活を送っているが、なぜかイェジュが気になる。
少しずつ距離を縮めることで、はじめは一人で戦っていたイェジュにミンシクが手を差し伸べる。
しかし、高校生の子どもたちには、あまりにも過酷なラストが待っていた。
城壁は本物で、高城は監督の故郷らしい。
「城壁」が高城の閉鎖的な空気と社会の偏見や孤立を表現しており、ひとりぼっちのイェジュが戦う象徴にもなっている。
しかし、高校生同士のいじめのレベルを超えているし、牧師であるにもかかわらず、父親のイェジュに対する態度も度を超えている。
イェジュの父親に対する容疑も、確固たる証拠がないままなのは『取り戻せない ~失われた真実~』と同じ。
結局、イェジュが受ける「村八分」や、ミンシクの「よそ者」としての疎外感がリンクし、二人で社会の壁と戦うが、そう甘くはなかった。
イェジュからすると、ミンシクは初めての希望の光で、二人で歩くシーンを見ていると、彼女がミンシクについて回る小犬のようにも映る。
そして意を決めたかのように髪型を整え、口紅をさして登校するが、いじめられてしまう。しかしミンシクが立ち向かうことで、彼女は「もう一人ではない」と思った矢先、とんでもないことが起こる。
後ろ姿で去ったミンシクだが、最後は後悔してもしきれない。
結局、社会の壁を乗り越えることはできなかったのかもしれない。
原題を直訳すると「雪片」になるらしいが、二人にとってお互いが舞い落ちる雪のかけらだったのかもね。
最近、Amazonプライムで続けて韓国のインディーズ映画を観ているが、商業映画とは違い、作家の主張と生々しいテーマ性を感じ、映画の良さを再発見している。
GYAO!なきあと、映画好きにはありがたい。
アマプラは映画好きの救世主やな。
