韓国映画【リボルバー】 | 三匹の忠臣蔵

三匹の忠臣蔵

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映画レビューを中心に、日々思いついたこと、感じたこと、趣味のことを書いてます。

タイトルからノワール系ハードボイルド・アクションを想像したが、「約束守れよ!」という一点だけを貫いた潔い作品。
豪華キャストでこれをやるオ・スンウク監督の勇気は称賛したいが、観る側からすると無駄に期待してしまい、ある意味で迷惑な話でもある。
だが、決して悪くはないと思う。

新築アパートへの入居を待っていた警察官のハ・スヨン(チョン・ドヨン)は、不正事件に巻き込まれ、金と引き換えにすべてを背負って服役する。
2年後、スヨンの出所日に刑務所に迎えに来たのは見知らぬ女チョン・ユンソン(イム・ジヨン)だけで、何かがおかしいと直感する。

その直感は当たっていて、お金どころか新築アパートへの入居もどこ吹く風。
スヨンは約束された金を受け取るため、静かな戦いを始める。

本来ならスヨンは警察を巻き込んだ一味の犠牲になったわけで、彼女の恋人であり上司だったイム・ソギョン(イ・ジョンジェ)も謎の死を遂げており、バックにはさぞ悪党が控えているはず。
協力者なのか敵なのか正体不明のチョン・ユンソン(イム・ジヨン)、彼女の元夫パク・ギョンリョン(ヤン・ヒョンミン)、巫堂(キム・ヘウン)など、こいつらの裏には巨悪が存在する――そう思いきや、報酬を約束したアンディ(チ・チャンウク)が小物で膝カックン。

にも関わらず、そもそもファン・ジョンミって誰やねん?
濡れ衣を着せられて死んだという設定らしいが、巫堂はジョンミの元店舗で占いをしているが、ジョンミの養母イム・ソンジョンは巫堂の夫の母親だった。
そしてファン・ジョンミの遺体が行方不明。
むっちゃ謎だらけやんか。

顔の見えないスパイもののような雰囲気もあり、そっち系かな?密室で繰り広げられるミステリー小説を想像し、いつかは来るであろう銃撃戦のアクションを期待しながら最後まで見た。

ラストのチ・チャンウクとチョン・ヘジンを見ると、ノワールと言えなくもないのではないかな。
オ・スンウク監督といえば「八月のクリスマス」、そして本作と同じチョン・ドヨン主演の「無頼漢 渇いた罪」。
「無頼漢」では強烈だったから期待して見た。

ただ、これで期待が裏切られたのは間違いないが、悪いかと言うとそうは思わない。
新ジャンルの映画を見た感じかな。
キャストの無駄遣いと、勘違いしそうな大胆な演出。
それでいてミステリー要素を散りばめつつも悪を巨悪として描かない、そして潔く「約束」という一点に絞った物語構成は斬新ではないかな。
スヨン役は女性だから成り立つのではないかな?とも思ったが。