高校生の頃は国際楽器がいきつけだった。
それが社会人になり、誰かの紹介で通い始めたのがアド楽器。
ここのオーナーさんがやり手で、とにかく良くしてくれた。
最初に買ったのがR-13の中古。
確か12万程やった。
ある日、リードを買いにいくと「いいのが入った」「大フィルの〇〇さんが10本以上の中から選んだ名器やで」と言われ、吹いてみるとホントによく響く。
どうしようかと迷ってると、「今使ってるのを下取りしてあげる」というので即決。
「3年ほど使ってます」と期待せずに見てもらうと「キリが良い10万でどう?」と言われたので、「ここで買ったのに...」と思いながらも、黙って即決。
それ以来、この楽器は宝物になった。
なんせ初めて新品の楽器を買ったんやからね。
この楽器を見るといつもアドの社長さんの顔が浮かぶ。
名前は忘れたけど、ちょっとした後ろめたさとともに。
しかし、いつしか楽器は押し入れにしまったままになり、金属部分にはサビや変色が見られるようになってしまった。
金大ブラスに通うようになり「もう一度」とも思うようになったので、楽器センター金沢に持って行ったら「10万です」と言われ撃沈。
応対してくれた女性スタッフの方が天理出身で、関西ブラスの話で盛り上がった。
ラジオ大阪「歌って笑ってドンドコドン!」がきっかけで東大阪市民音楽団に入り、クラシックやオリジナルに染まり、コンクールでは金学権を吹く機会にも恵まれた。
朝鮮学校出身の私には経験できなかった社会を経験できて、その後の人生の大きな糧になった。
だから手放すことができなかった。
しかし、もう手放そう。
私の手元にいると楽器が可哀想。
今からでも誰かの元でもう一度、あの響きを奏でて欲しい。
ということで送り出す。
Sクラは東大阪市民の練習場になってた楽器店で買った。
ということで買い取りサービス利用。
イロイロ調べて「目一杯させていただいて2万円です」が10分ほど諭したら3倍になった。