「復讐」という行為の空虚さを描いた「復讐者に憐れみを」 | 三匹の忠臣蔵

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復讐したけど誰も救われない、ただ人が死んだだけという韓国ノワール。
原題は「復讐は私のもの」で、本作の前作が「JSA」で後作が「オールド・ボーイ」のパク・チャヌク監督作品。
ペ・ドゥナがとにかく可愛いです。

聴覚障害者のリュ(シン・ハギュン)には、腎臓を移植しないと生きられない姉(イム・ジウン)がいる。
姉と血液型が違うため移植手術ができなかったリュは、臓器密売組織と接触するが、騙されてしまう。
そんな時、姉に適合する腎臓が見つかったという連絡が入るが金がない。するとリュの恋人ヨンミ(ペ・ドゥナ)は、お金持ちの子供を誘拐しようと提案する。
彼らはトンジン(ソン・ガンホ)の娘ユソン(ハン・ボベ)を誘拐するが、リュの誘拐事件を知った姉が自殺し、娘ユソンも亡くなってしまう。
トンジンは娘の復讐を決意するが、姉を失ったリュも臓器密売組織に復讐を誓う。

リュが聴覚障害者という設定に一応は同情の余地を残しているが、その行いがあまりにも愚かで、見ていて背中を押せない。
流暢な手話を操るヨンミがなぜこのような愚かなことを考えたのかも腑に落ちない。
トンジンもどこか義務感で復讐に及んでいるように見えて積極性が感じられない。
三者三様、動機は理解できるが、その行いに道理がない。
唯一まっとうなのは、臓器密売組織の連中だけという皮肉な構図が浮かび上がる。

原題は人を殺すために自分を納得させる理由なのではないか。
ラスト、トンジンの「俺がお前を殺すことを理解できるよな?」を聞いてそう思った。
理由をあれこれ探したけど見つからなかった最終結論みたいな。
きっかけと結末の非対称性というか、そんな必要はなかったのだと。