これ以上のハマリ役はないチョン・ヨンジュ。
原題は「큰엄마의 미친봉고」で、直訳すると「大叔母の狂気の奉告」のような感じ。タイトルは、大叔母(父方の叔母)が「もうやってらっか!」とご先祖様の窓口に三行半を突きつける(奉告は本来、謹んで告げることを意味するんだが)という意味合いかな。
字幕が「伯母・叔母」のオンパレードなので、こちらは言葉を聞いた方が無駄に混乱せずいいと思う。
まず、補足の説明がいると思うので書いておきます。
朝鮮半島で受け継がれてきた「祭祀」には、たとえ娘といえども参列することはできず、女性は男性が終わり祭祀の終わりにまとめて挨拶をする。配膳は男の役目で、料理をどう並べるかにも決まりがある。
済州島は女性も参加できるが、これは歴史的なことが影響していると思う。この風習が今は時代に合わないようになったということ。
長男によって家がつながっていくという意味で、祭祀は、家系を代表する長男が取り仕切る。
祭祀は旧正月と秋夕(日本で言う旧盆)だけでなく、曾祖父、祖父、父の命日にも行い、故人を生きている人間とみなして迎え入れる。
旧正月と秋夕など、季節の訪れを先祖に知らせる祭事を「茶礼」といい、字幕でも茶礼という場面があります。
さて、プロポーズを受け、一族が集う秋夕の連休、ユ・ジサン(チョン・ジェグァン)の本家へとあいさつへ向かったチェ・ウンソ(キム・ガウン)。
デートの帰りに偶然会った大叔母イ・ヨンヒ(チョン・ヨンジュ)は大先輩だった。しかも新居は近くらしい。
未来の嫁として覚悟を決めて向かったら大所帯でのお出迎え。
何をしていいかわからずオロオロするウンソの眼の前で大叔母ヨンヒが何やら決めかねている。
そして、女性たちに集まるように声を掛け車に乗ってイケメンの朝定食のお店へ。
何も知らない男連中はロビーでくつろぐが待てど暮らせど戻ってこない。伯母も加わりそしてカップ麺。
実は前日の夜にヨンヒは大叔父ユ・ハンイル(ユ・ソンジュ)に離婚話を切り出していた。
これまでの家事に対する報酬の話をするんだが、例えば祭祀を金額に換算して払えと。それが嫌なら離婚しろというもの。
そして次の祭祀には嫁も行かせないと言う。という伏線があったわけ。
そしてクーデターのリーダー、ヨンヒはみんなを引き連れブティックへ。
その時、残されたハンイルには決済金額の通知がチャリーン!
ファッションモデルのように着飾ったヨメーズと、ろくにご飯も作れない男ども。
ここから意地とプライドをかけた男と女の戦いがはじまる。
ヨメーズは車の中でカラオケ大会、この様子をインフルエンサーでもある、2番目叔母チェ・ミョンジ(チョン・ウンギョン)の娘ユ・ヒョジョン(ハ・ジョンミン)が配信中。
一方、酒と油の区別もつかない男どもは、なれない手つきで鉄板を囲み「ジョン」を焼いている姿は惨めったらありゃしない。
ジョンとは日本ではチヂミと呼ばれることが多いですが、チヂミは済州島の方言です。
白旗のようなスマホのメッセージ、配信動画が100万ビューと、それでいて最後はハッピーエンド。
ただ、最後がちょっとわからなかったのがチョルスさんのこと。
字幕では義叔母となってるけど、セリフでは”チャグノモニ”と言ってるので、これはお父さんの弟ユ・ハンソンの嫁キム・チョルスのことになる。誰からみた父で、どんな理由があったのか。どこかにネタが落ちているのか、見落としたのか。
あと、名前で呼ばれないのは男も同じなので、そこは違うと思うし。