よく分からないけど、まとめてみると、この作品は2部構成になっている。
第1部はチャン・ユニョン(パク・ヘイル)と先輩の元妻ソンヒョン(ムン・ソリ)との群山旅行を描いてる。
旅先では日本家屋を改造した民宿に泊まる。ここの主イ社長(チョン・ジニョン)は在日韓国人で、同居する娘チュウン(パク・ソダム)は目の前で母親をなくし、心に病を持っている。
ユニョンはソンヒョンとイ社長の仲を疑い、娘であるチュウンにちょっかいを出しユニョンに現場を押さえられるが、チュウンは心を開いたようにも見える。
第2部は旅行前の、朝鮮族の人権向上を訴えるデモ現場での再会からはじまる。中華料理店でユニョンがガチョウの踊りを披露するが、これはユニョン父(トン・バンウ)の認知症と関係ありそう。囚われたガチョウと自由に踊るガチョウということで、タイトルもそこからきてるのではないかな。
第1部が未来で第2部が過去という構造は、未来から過去を見る。
尹東柱を通じて朝鮮族や在日朝鮮人を見てるのは、そういうことではないかな。
ユニョンの父の「朝鮮族はこの国を混乱に陥れた」と言う偏見と差別が描かれている。時に韓国映画では、朝鮮族や在日朝鮮人を悪のように扱う。確か「新しき世界」では裁判になったのではないかな。これは監督のメッセージだろうと思う。
張律(チャン・リュル)監督の作品は「キムチを売る女」を見たことがある。確か、この作品でも朝鮮族を扱ってなかったかな。
チャン監督は親世代中国に渡った2世で、在中韓国人になるのか、朝鮮半島と中国との間の作品が多いイメージ。