実話ベースの話で「肢体障害1級」のカン・セハ(シン・ハギュン)と「5歳程度の知能」のパク・トング(イ・グァンス)が、互いの身体的な弱点を補い助け合うことで、より充実した生活を送ることができたという「共生社会」を描いた作品。
冒頭のシーンでこの作品が言いたいことが凝縮されている。
韓国では「8寸内の血族(寸は日本の親等)」と規定されているので、事情があるにせよ、セハは法律上は親族はいる。
シーンが変わって開催される「家族招待の日」が虚しく思えるが、誰かを責めるのではなく、これが現実なんだろね。受け入れるしかない。
障害を持つ人々の共同体施設「責任の家」のパク神父(クォン・ヘヒョ)が亡くなり、寄付金不足から頭脳明晰なセハは、その知力でお金を稼ぐが行政の支援打ち切りが決まり地主も退去を求めている。
さらに知的障害者と身体障害者は別々の施設に送られ、トングと離れ離れになると言われる。
そこで共に暮らせるよう水泳大会に出るトングのコーチにナム・ミヒョン(イ・ソム)をスカウトする。この時も「ボランティア活動記録」の作成が条件で、共生社会を目指す韓国ではボランティア活動の実績が社会的に必須なんだろうね。
しかしここのシーンは笑え、笑えて泣けてほっこりできるシーンが続くが、障害者の生きづらさもちゃんと描いてる。
そんな時、トングの母親が現れ「障害者は家族ではないお荷物だ」と言いつつ揺れるセハ。
しかし最後はドラマチックなハッピーエンドでなにより。
トングの母チャン・ジョンスン(キル・ヘヨン)さんが良い人で良かった。
実際はこのような話だったらしいので、一応は置いておきます。
「光州小さなイエスの家」で始まった「肢体障害1級」チェ・スンギュさんと「精神遅滞1級」パク・チョンニュルさんの友情物語を描いている。
チョンニュルさんはスンギュさんの身の回りの世話をし、手足となって助け、スンギュさんは1997年から猛勉強し、2002年に光州大学社会福祉学部に合格した。
チョンニュルさんは4年間、スンギュさんの大学生活を全面的にサポートした。車椅子を押し、本をめくり、食事の介助をしていたことで、多くの人々はチョンニュルさんが大学生だと思っていた。
「責任の家」のパク神父を演じるクォン・ヘヒョさんは、こういった役が多い。御本人の信念なんだろうね。
あと、久しぶりにイ・ソムらしい役柄を見た。この人は人間味ある役柄が似合うと思うけどな。