第2次世界大戦中、ドイツとソビエトの攻防戦の激戦地となったスターリングラードの戦いをドイツ側から描いた作品で、ドイツとアメリカの合作で、ドイツ側から描いた作品。
同名の作品は2001年にもあるが、この他にも様々な国の様々な視点で描かれている。同じ題材を様々な視点で見れるのが映画の醍醐味でもある。
タイトルのスターリングラードは、ロシア革命の内戦期にスターリンがこの町で反革命派の掃討に活躍したことから、スターリンにちなんで「スターリンの町」と名付けられた。
戦場での戦死、凍死、餓死によるソ連兵、枢軸軍の死者は100万人以上。
日焼け止めにオリーブオイルを塗っていて水着も元は下着だったのが良く理解できるオープニングは平和そのもの。汽車に乗りスターリングラードへ向かう兵士たちも陽気でロシアなら3日で十分と笑いながら話す。
画面は変わってスターリングラード、一気に戦争モードになり陽気だった表情も一変する。
戦線へ派兵された兵士らの戦争の矛盾や戦い続けることの苦悩が描かれていて、死んだ兵士から手に入れた負傷証明書で”生きて帰る”ことに挑戦する。
見ていて「犬死になる」「自軍に撃たれる」「必要な死だ」「死んだほうが楽になる」と思う。戦争モノを見ていつも思うのが、死ぬのが分かっているのに前進する兵士たち。
そのモチベーションはどこから来ているのかを考えると、聖なる戦い、自分たちの優れた価値観・思想を守る、排他的な優越主義、そして神であり正義だ。
これって明治時代の日本軍国主義が欧米列強に対抗するときに使った国家主義的な思想である「八紘一宇」「教育勅語」と同じではないか。
ただ日本の場合はアジアの解放を掲げながらも、植民地支配を拡大しようとした結果、ボコられたわけだが。