南北朝鮮の離散家族の「記憶」を扱ったショートムービー。
戦争が終わり月日が流れ、もはや戦争は過去のこと。
社会も発展し、段々と忘れられ風化していく時代の流れを、チェ・ヨニ(ムン・チェウォン)の記憶がフラッシュバックして過去と現在が交差することで描いている。
当事者にとっては忘れてはいけない記憶なんだけど、次世代はそうはいかない。だから意識して記憶に残す努力をしなくてはいけない。
面会希望者を乗せたバスがゲートで止まり、過去のヨニが現在のヨニに戻り、持ってきたお弁当が落ちるシーンは、厳しい現実を突きつけていると思う。
「チャンス商会」でも記憶を扱ったカン・ジェギュ監督は、監督・脚本・企画で名作「シュリ」を撮っており、他にも「ブラザーフッド」「マイウェイ」と南北問題を扱って、今年は「ボストン1947」を公開した。
記憶は、残す努力をしなくてはいけないと思う。
