ビー・デビル | 三匹の忠臣蔵

三匹の忠臣蔵

日々是好日。
お弁当ブログだった「お弁当にはたまご焼き」からリニューアル。
映画レビューを中心に、日々思いついたこと、感じたこと、趣味のことを書いてます。

原題「キム・ボンナム殺人事件の顛末」。
1991年に南原で発生した「キム・ブナム事件」、1992年に忠州で起きた「キム・ボウン、キム・ジングァン事件」、そして「密陽女子中学生事件」など、実際に起こった3つの性暴行事件を元に脚本化されたスプラッター映画で、テーマは「告発の行方」で描かれた「見て見ぬふりは肯定する傍観者」。
極限状態に追い込まれた人間の行動を通じ、表面的には平和な島に潜む暴力に対する無関心が、それを黙認することになるということを描いてる。

職場でトラブったチョン・ヘウォン(チ・ソンウォン)が休暇で幼少期を過ごした島を訪れる。幼馴染のキム・ボンナム(ソ・ヨンヒ)は温かく歓迎するが、他の島民は冷たい。
ヘウォンは休暇を楽しむうち、夫マンジョン(パク・チョンハク)からの暴力、義理の弟チョルジョン(ペ・ソンウ)の性的虐待、そして島民の無関心な、ポンナムの異常な生活に気づく。
島に来て良くしてもらったはずのヘウォンも、自分と娘ヨニ(イ・ジウン)をソウルに連れていってくれというポンナムの頼みを断る。
孤立無援の島の暮らしで、最後の望みのヨニを失ったポンナムは、鎌を手に取り自分の手で復讐を始める。

変幻自在のソ・ヨンヒの演技がすごすぎるし、憎悪を掻き立てるペ・ソンウ(トンホおばあさん)もエグい。

元々ヘウォンもどこかおかしいところがあり、最初はヘウォンが何かしらの行動に出るのかと思ってたら違った。
ヘウォンも立派なサイコパスで、何故ここまでキレるのかが描かれてないのが不思議で、傍観者の無責任で醜い姿の象徴として描いているのか。
それか、閉鎖的な島で育ったからこんな性格になったと言いたかったのだろうか。どちらにせよ、この女も根っからのゴミの一人でしかない。
最後はボンナムにスッキリさせてあげたかったかな。それか(13日の金曜日の)ジェイソンみたいに描くか。

大阪から能登島に嫁いで、結局は離婚した経験者の話を聞いたことがあるが、全員身内の島での逃げ場のない暮らしで、村八分になることほど恐ろしいことはない。

「あなたに すまないと思ってる」「あなた?」の字幕は違う、まぁ、文字にはできんもんな。